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最も難しいピアノ曲はラフマニノフ協奏曲第3番?

最も難しいピアノ曲はラフマニノフ協奏曲第3番?

Posted September. 23, 2014 08:35,   

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「世界で最も演奏するのが難しいピアノ曲が、ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番ですと?」。音楽記者になった直後、しばしば聞いた話だ。ピアニスト、デイヴィッド・ヘルフゴットが音楽映画「シャイン」のモデルになったためだった。主人公は、父親が「世界最高の曲」として脳裏に刻印させた作品であり「最も技巧的に難しい作品」であるこの曲の演奏に成功するが、統合失調感情障害に陥ってしまう。

映画が描写した通りこの作品は「最も難しいピアノ曲」だろうか。すべての音楽作品はそれなりに困難さを備えている。技巧的な部分だけを取っても、鍵盤を広くたたくことが難しいピアニストもいるだろうし、はやい連打ができない演奏者もいるだろう。それだけに「最も難しい曲」を規定することは難しい。

しかし、この作品で多くのピアニストが音を上げたことは事実だ。ラフマニノフは当代の有名ピアニストであるヨーゼフ・ホフマンにこの曲を捧げたが、ホフマンは「この曲は私に合わない」と言って一度も大衆の前で演奏しなかった。この曲をよく演奏したゲイリー・グラフマンも、「私がこの協奏曲に幼い時に接していなかったなら、演奏しなかっただろう。この曲を習った時、幼さゆえ怖いものがなかった」と吐露した。

なぜこれほどまでに演奏を難しくしたのか。ラフマニノフが曲を作った1909年は、英雄主義的ロマン主義の演奏家に対する崇拝が絶頂を成した時代だった。ラフマニノフ自身、「一世を風靡」したピアノの大家だった。一説によると、彼は片手で「ド」からオクターブ上の「ソ」まで何と12度も届いたという。

しかし、むろんこの曲の魅力が「難しい」ことにあるわけではない。曲全体が美しい旋律で満たされ、難しい技巧が出現する最後の楽章のクライマックスは、金管のフォルテとともに空に体がふわりと浮かび上がるように幻想的だ。青い空を背景に主人公が両手を広げている映画「シャイン」のポスターのイメージともよく合っている。

この胸がすがすがしくなる曲は、最近のような空が高い時期によく似合う。今日23日は1909年にラフマニノフが楽譜を完成したこの曲の「誕生日」だ。