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セウォル号事件後、瀕死状態に陥った国内小説

セウォル号事件後、瀕死状態に陥った国内小説

Posted September. 18, 2014 03:17,   

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ベストセラーのリストから、韓国の新刊小説が消えた。

17日、教保(キョボ)文庫によると、今年(1〜8月)の小説分野の累積販売量で上位10位内に入った韓国小説はわずか2冊。それさえ、今年発表された新作ではなく、昨年7月に発売された趙廷來(チョ・ジョンレ)の「ジャングル万里」(ヘネム)と11年に発売されたが、最近、映画化されたことで、再び注目を集めているキム・エランの「どきどき我が人生」(創批)だ。

日本の作家・東野圭吾の「夢幻花」(ビチェ)が5月に発行され、10位についたことを考慮すれば、今年の国内小説の成績表は落第レベルだ。

今年の韓国小説の低迷の原因として、4月16日に起きた旅客船セウォル号沈没事故が取り上げられている。殷熙耕(ウン・ヒギョン)は、登壇20周年を迎え、小説集「ほかの全ての雪片とよく似ているただ一つの雪片」(文学町)を、3月に発売した。この小説は、発売直後、ベストセラー2位につき、「ジャングル万里」の後を継ぐものと期待されたが、セウォル号沈没事故後、20位圏外に追い出された。3月末に発売された李外秀(イ・ウェス)の小説「完全変態」(ヘネム)も、7週間、ベストセラー10位内に入ったが、その後、押し出された。

ヘネムのイ・ジンスク編集長は、「国内作家の小説は、『読者との対話』などのスキンシップマーケティングが重要だが、セウォル号事故で、全ての行事をキャンセルせざるを得なかった。李外秀作家のファンの中にも、新小説が出たことを知らない人さえいる」と話した。

セウォル号事故の影響は、長引くものと見られる。文学町は、スター作家・キム・エランの「涙の科学」、朴玟奎(バク・ミンギュ)の「マスゲームジェネレーション」を準備しているが、セウォル号事故後、発売時期が遅れて、まだ確定していない。複数の出版社の関係者は、「感受性の敏感な作家たちが、セウォル号事故で、作品活動に集中できずにいる」と話した。

セウォル号以降、韓江(ハン・ガン)の「少年が来る」(創批)が6月に、話しぶりや諧謔を混ぜ合わせた成碩濟(ソン・ソクジェ)の「透明人間」(創批)が7月に発売され、それぞれ2万部、4万部ほどが売れたが、出版界に活気を吹き込めずにいる。同じ時期、パウロ・コエーリョの「不倫」(9万部)、ミラン・クンデラの「無意味のフェスティバル」(4万部)、村上春樹の「女のいない男たち」(14万部)など、世界的作家らの作品が殺到し、注目が分散されたためだという見方も出ている。

韓国小説の面白さや競争力が落ちた結果だという評価もある。最近、小説はテレビや映画で登場した本やページターナー(page turner=すらすらと読める本)のジャンル小説が、それなりに人気だ。教保文庫の関係者は、「映像に慣れている読者らはジャンル小説を探しているが、その分野でとりわけ国内小説の競争力が弱い」と話した。