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[オピニオン]イスラムのモンスター「イスラム国」

[オピニオン]イスラムのモンスター「イスラム国」

Posted September. 16, 2014 09:19,   

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イスラム過激派組織「イスラム国」が、3度目の「斬首テロ」を行った。2人の米国人ジャーナリストに続き、今回はシリア難民の援助活動をしていた英国人、デービッド・ヘインズさんが犠牲になった。殺害するだけでは足りず、動画に撮って公開までした。イスラム国の対抗勢力に恐怖心を与える戦術だ。英国のキャメロン首相は、「イスラム国はイスラム教徒ではなくモンスターだ」と激しく非難し、「殺人者を裁きにかけるためにできることは何でもする」と述べた。

◆ヘインズさんは、フランスの救護団体が行う難民保護活動のためにシリアに入国し、3日後にイスラム国に拉致された。ヘインズさんは15年間、旧ユーゴ連邦の難民支援やリビアの障害者保護、南スーダンの休戦監視に参加した。イスラム国は、苦難にある外国人のために献身してきたヘインズさんを残酷にも虐殺した。彼らが掲げる大義名分が何であれ、許すことができない蛮行だ。世界15億のイスラム信者にも恥をかかせた。

◆イスラム国は、10人余りの西欧の国民を人質にしている。3人のアラブ人ジャーナリストも人質になっている。斬首の悲劇は、米国、英国に続き他国民にも起こる可能性が高い。イスラム国には2000人余りの西欧出身の戦闘員が加わっている。彼らが本国に対してテロを起こすシナリオも排除できない。イラク政府軍に逮捕されたイスラム国戦闘員は、「韓国から来た人に会った」と話した。韓国もイスラム国のテロから安全だと安心できない状況だ。

◆心理学者で認知科学者のスティーブン・ピンカー米ハーバード大学教授は、著書『我々の天性のより良い天使たち』で、「長い歳月が流れ、暴力が減少してきた。現在、私たちは歴史上最も平和な時代を生きているのかも知れない」と診断した。そして、「人間の内面の悪魔」を抑制する「善良な天使」、すなわち自己統制、道徳感覚、理性が強くなったためだと分析した。国家と司法制度の成立も、人間の暴力を減少させた要因だ。イスラム国の斬首は、人間本性の進化に逆行する反人倫的犯罪だ。イスラム国の斬首犯罪に人類が共同で立ち向かわなければならない。

方炯南(パン・ヒョンナム)論説委員 hnbhang@donga.com