「チーム戦力の半分ですよ」
勝ち点43点のプロサッカーKリーグ・チャレンジ(2部リーグ)の大田(テジョン)は、安養(アンヤン)を勝ち点16点差で大きく引き離して圧倒的な首位を保っている。大田の関係者は、ブラジル出身選手の称賛に余念がない。大田のアドリアーノのワンマンショー舞台と言っても過言でない。アドリアーノは18試合で18ゴールを入れ、得点王争いでトップに立っている。試合当たり1得点の割合だ。全部で55回シュートを放って得た得点だ。3度のシュートに1度の割合でゴールを決めているのだ。
171センチ、65キロの小柄だが、守備を揺さぶる「ジグザグ」ドリブルと瞬発力が目立つシュートがブラジルのスーパースター、ネイマール(173センチ、65キロ)に似ている。10番の背番号も一緒だ。
大田にとってアドリアーノは、思いがけない宝だ。2011年にアドリアーノはブラジルのチームで、当時安貞桓(アン・ジョンファン)が所属していた中国の大連実徳に入団した。だが2年間適応に失敗し、ブラジルにレンタル移籍した。そこでも出場できるチャンスがもらえず、彷徨していたアドリアーノを大田は簡単に獲得することができた。
韓国とは相性が合った。リーグ初戦となった水原(スウォン)FC戦で今季初ゴールを決めては5試合連続得点を記録した。13日の安養戦では、初のハットトリックを達成。異変が起こらない限り、大田はリーグ優勝とKリーグ・クラシック昇格が有力だ。
アドリアーノは、今のペースなら1シーズン歴代最多得点記録の更新も可能だ。Kリーグ・チャレンジのチームは全部で32試合を行う。これまでの1シーズン歴代最多得点は、2012年にFCソウルのデヤンが記録した31ゴール(42試合)。
アドリアーノは、最終的には40得点までを目指している。経験豊富な大田のベテラン、キム・ウンジュン(35)は、大田で長く活躍して20日に現役引退した全北(チョンブク)のGKチェ・ウンソンが教えてくれた「GKが全く手が出せないコース」を、できる限りアドリアーノに伝えようとしている。Kリーグのネイマールは満足することを知らない。