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「オピニオン」広域バスの立ち席禁止騒ぎ

「オピニオン」広域バスの立ち席禁止騒ぎ

Posted July. 18, 2014 03:46,   

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広域バスは、高速道路や自動車専用道路を通じて、首都圏郊外とソウル都心とをつなぐ庶民の足だ。乗用車や地下鉄を利用できない郊外の住民らにとっては、事実上、唯一の交通手段だ。ところが、名ばかりの座席バスであり、通勤時は立ち席バスになって久しい。高速で走るバスの中で、立っているのは確かに危険なことだ。それでも、「なぜ、立ち席に運行するか」と抗議する乗客などいない。むしろ、込んでいても、欠かさず乗せてくれる運転手がありがたいばかりだ。

◆旅客船セウォル号惨事のとばっちりを、広域バスが食った。セウォル号事故が、我が社会の安全不感症や幾重も積まれた積弊によって起きたという認識が広まり、政府が、安全のため、立ち席で運行する座席バスへの取締りを決めたのだ。高速道路や自動車専用道路を行き来する車両は、乗客が皆座った状態で、シートベルトをつけるべきだというのが、現行の道路交通法のルールだ。国土交通部は5月、広域バスでの立ち席禁止法案を立法予告し、7月16日から実施するとこけおどした。

◆立ち席禁止への取締り初日、広域バスが座席が全て埋まれば、バス停を通り過ぎ、乗客を乗せない。しかし、1時間足らずで、一部のバスは乗客を乗せた。殺到する乗客の抗議に屈したのだ。京畿道(キョンギド)は、通勤時の交通難解消に向け、バス188台を増やし、配車間隔を縮めたが、力不足だった。増車も解決策ではない。広域バスは、通勤時以外は、がらんとして状態で走っている。バスの乗車費用も、税金や料金に反映されざるを得ない。

◆立ち席バスに乗りたがる人などいないだろう。座席バスのように、席に着き、背もたれに頭をもたげ、10分ぐらい居眠りしたら、気分もすっきりする。現実的な考慮無しに、「原則どおりに強行すれば済むことだ」という政府の姿勢は、無責任極まりない。首都圏広域急行鉄道(GTX)建設が、最もよい解決策だが、時間がかかりすぎ、投入予算も馬鹿にならない。最初から、盆唐(ブンダン)〜盤浦(バンポ)間高速道路を解除し、立ち席を合法化する方法はどうだろうか。1人だけ乗っている乗用車に、さらに一人乗せるキャペーンを繰り広げたり、二階建てバスの導入などを急ぐべきではないか。まず、大衆の知恵を集める努力からでもしてほしい。

鄭星姬(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com