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[社説] 強い日本、強い首相、その終わりは?

[社説] 強い日本、強い首相、その終わりは?

Posted July. 07, 2014 03:17,   

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東京特派員として、日本の安倍晋三首相に何度も驚かされる。

まず、彼のゴルフだ。昨年の新年連休最終日の1月3日、ゴルフをする安倍首相の姿をテレビのニュースで初めて見た。「良いストレス解消になった。これですがすがしく頑張っていける」。高級公職者のゴルフが罪のように考えられている韓国と比べて、ゴルフ場で話をする安倍首相の姿が非常に新鮮だった。安倍首相はその後も休暇の度にゴルフを楽しんだ。多くの日本人は「首相が休暇にゴルフする程度は問題ない」と話した。

2つ目は経済だ。昨年末、第一生命経済研究所のある首席エコノミストにインタビューした。彼は、「安倍首相は戦う保守政治家として知られている。彼が経済に集中してこれだけ成果を出すとは全く想像できなかった」と話した。「アベノミクス」という造語までできたことは日本人にも驚くべきニュースだった。

3つ目は情熱だ。安倍首相が小走りする姿が時折テレビに映る。分単位のスケジュールのため移動時間を減らすために走るのだ。常に謹厳な韓国大統領の姿に慣れているため、安倍首相の走る姿もまた非常に新鮮に映った。安倍首相は夕食を2回する時も多い。多くの人に会わなければならないため、夕食の約束が2度になり、その度に食事をするのだ。

記者会見でも彼の情熱が伺える。5月15日に集団的自衛権について説明した時、直接指示して紛争国から逃れようとする母子の絵が描かれたパネルを設置した。安倍首相は舌足らずで発音が不正確な方だが、記者会見の時は自然に聞こえる。非専門家が見ても何度も練習したという感じを受ける。

4つ目は「ロングラン」だ。安倍首相は2012年初めまでは忘れられた政治家だった。しかし、同年8月の李明博(イ・ミョンバク)前大統領の独島(ドクト、日本名・竹島)訪問、中国との尖閣諸島(中国名・釣魚島)問題が相次いで起き、強硬タカ派の安倍議員が急浮上した。そして同年12月に首相になった。

突発変数で2度も首相になった彼は、2007年9月には健康上の理由で首相を辞職した。大衆的基盤が弱いため、今回も明らかに短命だろうと思われた。予想は見事に外れた。現在、日本の政界は自民党1強体制を維持している。少なくとも2016年の夏の参議院選挙まで自民党の党首である安倍首相のロングランが確実視される。

しかし、彼のロングランに変数が現れた。昨年末、国民からの反発が強かった特定秘密保護法を自民党が国会で力で通過させたため、安倍内閣の支持率が急降下した。安倍首相は記者会見で、「国民にもう少し丁重に説明すべきだった」と謝罪した。集団的自衛権も「行使容認」という結論と「定期国会会期内」という期間を決めておいて連立与党に圧力をかけた。再び支持率が下がり始めた。

最近日本では、「第2次世界大戦の直前と状況が似ている」という声が聞こえる。それだけ一般国民は不安に思っている。「危機に対処する」という大義名分のために法治の基盤も揺れている。「中国の脅威」、「強い日本」といった名目の下、憲法が無視され、安倍首相の命令だけが存在するようだ。彼の暴走が続くなら、ロングランに対する驚きは変わるだろう。