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[オピニイン]人類の難題と経度賞

Posted June. 28, 2014 04:45,   

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地球全図の上に縦横に引かれた緯度と経度は想像の線だ。人間が航海の便宜のために作り出した。今日では簡単に緯度と経度が分かるが、16〜17世紀の大航海時代は違った。船が多くの人や黄金、物資を載せて新大陸を行き来したが、海図と羅針盤だけでは大海の上のどこにいるのか知る術がなかった。船員も自分たちがどこに向かっているのか分からず、座礁する事故が多かった。

◆緯度を探すのは容易だ。赤道を0とし、太陽が動く範囲でそれぞれ北回帰線と南回帰線を定め、北極と南極の方向に同心円を描けばいい。問題は経度だった。海で経度を知るには、船がいる場所の時刻とその瞬間の母港か経度が分かるある一地点の時刻を同時に知る必要がある。航海者はその時間差を距離に換算して経度を計算することができた。ただし時刻に少しの誤差が出ただけで距離が途方もなく長くなる。

◆経度問題に頭を抱えた英国は1714年に経度法を制定し、経度を測定する方法を発見した人に国王の身代金に相当する賞金(当時2万ポンド)を与えることにした。これが経度賞(Longitude Prize)だ。賞金は効果を発揮した。ニュートンも解決不可能と言ったこの問題を解決し、世界のどこでも正確な時間を維持する海上時計を発明したのは、正規の教育を受けていない時計職人のジョン・ハリソンだった。

◆経度賞の制定300周年を迎え、再び設置された経度賞委員会が人類の難題解決に貢献した人に1000万ポンド(約172億ウォン)を与えると発表した。委員会は、痴呆症の克服、神経の再生、安全な飲料水、環境にやさしい飛行、十分な食糧供給、抗生剤の耐性といった6つの難題を提示し、オンライン投票を通じて抗生剤の耐性を最終課題に選定した。抗生剤は2つの顔を持つヤヌスだ。ペニシリンのような抗生剤は多くの人命を救ったが、抗生剤が効かないバクテリアが登場した。抗生剤の耐性という難題を解決する人は、抗生剤使用率1位の韓国から出なければならないだろう。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com