Go to contents

[オピニオン]宇宙人イ・ソヨンの変身

Posted June. 27, 2014 07:17,   

한국어

「地球は青い光だった」。宇宙から地球の姿を初めて目にした人類初の宇宙人・ユリ・ガガーリンだ。ソ連の空軍将校だった彼は、1961年4月12日、宇宙船ボストーク1号に乗って、地球軌道を108分間回った。宇宙飛行の間、彼は、「祖国は聞き、祖国は知っている/祖国の息子が空のどこを飛んでいるのか…」という歌を口ずさんだ。ドミトリー・ショスタコービチが1951年に作った曲だ。人類の新紀元を切り開きながらも、祖国のことを考えるなんて、宇宙人にも国籍は大事なことらしい。

◆宇宙人の定義ははっきりしていない。国際航空連盟(FAI)は、高度100キロ(約62マイル)以上、米航空宇宙局(NASA)は、80キロ(約50マイル)以上の上空を飛行したことを、宇宙飛行と規定している。特別任務の遂行のため、訓練を受けた宇宙飛行士(astronaut)らが、このカテゴリーに入る。宇宙船に乗っても、正式に宇宙での任務に参加しなければ、宇宙飛行の参加者(spaceflight participant)、見物が目的なら、宇宙観光客(space tourist)という。

◆イ・ソヨンは、政府の「韓国の宇宙人排出事業」が生んだわが国初の宇宙人だ。06年、高山(コ・サン)と一緒に選ばれ、07年、ロシアで基礎訓練を受けた。当初、高山が宇宙飛行の参加者、イ・ソヨンは候補だったが、高山が訓練ルールを違反し、彼女が08年4月8日、ソユーズTMA−12号に乗った。氏は、国際宇宙ステーションで18種類の実験義務を終え、4月19日に帰還した。NASAは彼女を、「宇宙飛行参加者」と分類している。韓国とロシアとの商業契約に基づいて、宇宙船に乗ったという理由からだ。

◆彼女が、所属している韓国航空宇宙研究院(航宇研)を、今年8月に退職することになり、政府が約260億ウォンをつぎ込んだ宇宙人排出事業の成果が、議論を呼んでいる。氏は2年前、休職し、米国で経営学を勉強し、韓国系米国人と結婚した。航宇研の義務服務機関を満たし、政府の宇宙開発事業はなかなか進まず、彼女のせいにばかりするわけにもいかない。宇宙人イ・ソヨンの変身がほろ苦い。

韓起興(ハン・ギフン)論説委員