建築主らから金銭を受け取って、公務員に違法に増築改築した建築物を見逃すよう依頼したブローカーと、賄賂を受け取って取締りを帳消しした公務員らが、警察によって多数摘発された。
ソウル地方警察庁広域捜査隊は１０年１月から今年４月に掛けて、違法建築物４３９件について、虚偽の公文書を作成し、賄賂を受け取ったソウル中区（チュング）区役所住宅課出身の公務員１８人と建築主など３１人を検挙し、取調べを行っていると、２５日明らかにした。このうち、中区区役所の７級公務員のイ某容疑者（５３）とキム某容疑者（４７）、ブローカーのイム某容疑者（７４）は、賄賂授受の容疑で拘束された。イム容疑者は、建築主らから受け取った４億８０００万ウォンのうち、１億４６００万ウォンを、公務員らに渡したという。
これらの違法建築物を臨時に撤去し、写真を撮った後、再び修復することを容認したり、違法建築物のリストからわざともらす手口で法を犯してきた。イム容疑者が違法に増築改築した建物の写真を、フォトショップ等のプログラムを使って、正常な建物かのように偽造して持ち込むと、「あまりにも偽物っぽい感じがする」とし、再び偽造するよう指示までしたことが明らかになった。
このようにして建てられた違法建築物では事故が相次いだ。昨年８月、中区のある工場では、公務員などに賄賂を渡し、２階を違法増築していたところ、１階の屋根が荷重に耐え切れず崩壊し、作業員２人が怪我をした。昨年４月は、フンイン市場で、サンドイッチパネルで作られた違法建築物から火が出て、商店街の１０数店舗を燃やし、２人が怪我をした。中区消防署は、中区区役所に何度も無断増築建築物について通知し、措置を取るよう公文を送ったが、是正されなかった。
これまで、収賄の容疑が明らかになった公務員は、拘束された２人を含め計８人。警察は、虚偽決裁や職務遺棄の容疑がもたれている公務員１０人を対象に、金品を受け取ったかどうかについて追加捜査を行っている。警察の関係者は、「公務員らは、『慣例的に違法を見逃してきた』と供述した。これからも、違法行為を黙認した官民癒着の行為を巡り、捜査を続けるつもりだ」と明らかにした。
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