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政治と愛は計算してはならん、心でやらねば

政治と愛は計算してはならん、心でやらねば

Posted June. 18, 2014 03:30,   

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「閣下、野党が座り込みをしていて、正常な通過は到底不可能です。次の会期に通過させるようにします」(金鍾泌・共和党議長)

「何を言う!私がこの国の経済発展のために京釜(キョンブ)高速道路を作ったんだ。何?野党が反対して国会で通過できないと?一体なんてことだ!」(朴正煕大統領)

第63回臨時国会の会期最終日だった1968年2月29日10時半の大統領執務室。京釜高速道路建設予算を調達するための税法改正案の処理に金議長が難色を示すと、朴大統領は怒りを抑えきれず灰皿を投げ飛ばした。それでも余憤覚めやらぬ様子で、タバコを吹かすばかりだった。誰も口が利けない殺伐とした雰囲気が続くと、共和党の院内総務だった李萬燮(イ・マンソプ)元国会議長(82・写真)が、恐る恐る言葉を切り出した。「閣下、まあ、今度だけ勘弁してくださいな」。

李元議長の癖のある慶尚道(キョンサンド)訛りに朴大統領が笑いを漏らした。空気はがらりと変わった。

李元議長が最近、回顧録「政治は胸で」を出版した。東亜(トンア)日報政治部記者をして、1963年に第6代国会議員として政界入りし、2004年まで8回当選した。2度の国会議長も経験し、51年にわたる政治人生の舞台裏を漏れなく盛り込んでいる。

回顧録は、朴正煕元大統領から始まり、歴代大統領が歴史と国家についてどんな思いを持っていたかを、淡々と記録している。大統領選の直接選挙への転換を求める声が最高潮に高まっていた1987年6月24日、全斗煥(チョン・ドゥファン)大統領(当時)は、李元議長に対して、盧泰愚(ノ・テウ)民正党代表(当時)に会って直接選挙制を受け入れるよう説得して欲しいと話した。盧代表は「自分も直接選挙を(全大統領に)進言して受け入れてもらえなかったら政界を引退するつもりだった」と打ち明けた。

李元議長は、回顧録の序文で「全ての政党や政治家を保守派と進歩派の二分法で分けるのは間違っている」と書いた。

李元議長は17日、東亜日報の電話取材に対し、「進歩派か保守派かを離れ、歴史を客観的に、ありのままを記録しておかねばという思いで執筆することになった」と話した。

李元議長は、「保守派か進歩派かとは関係なく、ひたすら正義と良心に従って行動した。保守派か進歩派かという古いイデオロギーの殻を破って、交わり合って力を合わせるべきだ」とし、「私たちの世代だけで終わる国ではないだけに、皆が力を合わせて国を建て直すよう心から訴えたい」と強調した。「民主化勢力と産業化勢力は、互いの功績を認めるべきだ」とも話した。老政客の気合の入った言葉には、依然として力がみなぎっていた。

李元議長は、回顧録の表題(政治は胸で)については、「政治と愛は計算してはならん」と言いきった。後輩の政治家たちへのメッセージをお願いすると、「政治は小細工でするものではなく、胸でやるものだ」と力説した。