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内閣改造のキーワードは「経済ドライブ」

内閣改造のキーワードは「経済ドライブ」

Posted June. 16, 2014 03:20,   

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副首相兼経済財政部長官に内定した崔鍫煥(チェ・ギョンファン)セヌリ党議員が、「今の住宅担保融資に対する規制は、真夏の服を真冬に着るも同然だ」と話した。担保認定比率(LTV)と総負債返済比率(DTI)など不動産市場の活況期に導入した融資規制を今のような不況期にも維持するのは適切でないと指摘したものと受け止められる。また労働組合の反発に阻まれている公共機関の改革に関連しては、「詰まっているところに穴を開けて改革をスピード感を持って推し進めたい」と述べた。

崔氏は、経済副首相に内定した13日の夜、ソウル市草瑞区草瑞洞(ソチョグ・ソチョドン)のビアホールで記者団と懇談し、「経済政策を全般的に点検して、変えるべきものはがらりと変える」として、このような考えを明らかにした。玄旿錫(ヒョン・オソク)経済副首相中心の第1次経済チームより大胆な政策を進める考えを示したものだが、一部では、政策を推進する過程で、無理が伴われる恐れを懸念する声も上がっている。

●銀行の資金放出で経済再生図る

崔氏は、今の経済状況について「息苦しく詰まっている感じ」だと表現した。経済成長率、投資、就業者数、輸出など数字上では経済がうまく回っているように見えるが、いざ国民は成長の果実を実感できずにいるという。

セヌリ党の院内代表として必要性を主張していた融資規制の緩和は、落ち込んでいる体感景気を押し上げるための手段だ。LTVは担保となる住宅価格の40〜60%だけを融資し、DTIは元金返済額が年収の50〜60%を超えないように規制する制度だ。

政府は、以前も、何度か借り入れ規制の緩和を検討してきが、その都度、家計負債の増加を懸念する金融当局の反対にぶつかった。実力者の崔氏が、所信を通して借り入れ規制緩和を強く押し付ければ、金融委員会も露骨には反対できないだろう。実際、金融当局の高官は、崔氏の発言が報じられるた直後に、「政府与党間協議や聴聞会などを経て、政策をまとめ上げる機会が出てくるだろう」と言い、制度を見直す可能性を排除しなかった。

仮に借り入れ規制に手をつけるとしても、全面的な廃止や緩和よりは、部分的な調整の形式を取る可能性が高い。LTVの場合、首都圏に適用される50%の比率を地方水準の60%に高めるか、投機地域の規制を多少緩和する案が取り沙汰されている。DTIは青年層や新婚夫婦、高所得者層など一部の階層に限って規制を緩和する案が検討される。

不動産専門家らは、LTVやDTI規制の緩和で住宅購入の需要が増えるだろうが、景気浮揚につながるのは期待薄、との見方を示している。KB国民(クンミン)銀行のパク・ウォンガプ首席不動産研究委員は、「住宅金融の規制を緩和すれば、需要が増えて不動産市場に活気を吹き込むだろう」と話した。だが、ウリィ投資証券のキム・ギュジョン不動産専門委員は、「家計負債が深刻化しており、借り入れ規制の緩和は価格上昇期にだけ効果がある手段で、取引の活性化には大して役立たないだろう」との見方を示した。

●ウォン安政策の微調整か

体感景気を回復を強調している崔氏の経済観は、様々な分野で既存の政策基調と衝突する可能性がある。例えば、崔氏は、企業側ではウォン高が有利だろうが、国民の立場からはウォン高が必ずしも嬉しいことではないという指摘に対して、「自国通貨の価値が上がれば(ウォン高が進めば)国民の購買力が上がるだろう」とし、「これからは経済復興と国民幸福は一緒に行かなければならない」と話した。これまではウォン安を維持すれば輸出が伸び、経済が成長するという論理からウォン安政策を取ってきたが、今後は「国民幸福」のために、為替政策の基調を多少修正する可能性があることを示唆したものと解釈される。

しかし、韓国経済のダイナミズムを高めるべきだという点は明確にした。崔氏は、「韓国経済が青年期・壮年期に入るには、まだまだ成長を続けなければならないのだが、早くも早老症が現れている」と言い、「高い水準の躍動的な成長ぶりを5〜10年は続けてこそ、高齢化時代に備えることができる」と強調した。経済成長のための政府の財政投入については否定的だった。政府が資金を放出して人為的に景気を押し上げようとするよりは、政府と市場が信頼を築く必要がある、との見解を示した。

●公共機関の正常化、「官フィア」改革が試金石

崔氏が、このように「財政の役割には限界がある」という見解を示しているが、官界では実力者の副首相が追加補正予算を組んで景気浮揚に乗り出す可能性を占う見方が流れている。だが、追加補正予算は結局は国民に負担が回る資金であるため、消費心理が萎縮している状況下では焼け石に水となることを懸念する見方が多い。

このため、新たな政策を推進しようとするよりは、公共機関の正常化や官フィア改革といった当面の課題で成果を出してから、それをバネに成長政策でもスピードを出すべきだと指摘する声が上がっている。最近、成果給を平均賃金に算入する問題を巡り、公共機関と労働組合が厳しく対立して遅々として進まない公共機関の正常化問題で政治手腕を発揮し、解決策を講じるべきだという意見だ。

崔氏は、官フィア改革に関連しては、公務員たちの公職生活期間を伸ばすことを解決策として提示した。50代序盤・半ばに引退すれば、仕事に就くことができず、官フィアと批判されているだけに、50代後半に退任する長期勤続文化を作り、官フィア弊害の余地を減らすことができるという発想だ。