Go to contents

[オピニオン]国民に微笑みを

Posted June. 11, 2014 08:59,   

한국어

笑いがまったくない。政治にも社会にもないため、経済や市場にもない。すべてが硬直している。ただ気をつけることが上策という考えが伝染病のように広がっている。言葉尻を捉えられる恐怖で、首相や長官、首席の器があっても多くの人が隠れる。ややもするとめった打ちにされるかも知れないと、公務員たちは「伏地不動」(地に伏して動こうとしないこと)に済まず、初夏に冬眠している。

ある友人は先月中旬、鬱陵島(ウルルンド)に行ったが、一行のほかに旅行客は見あたらなかったと話した。観光シーズンなのに閑散としているため、鬱陵島の親は陸地に留学させた子どもの2学期の授業料を心配する。都市会社で日当や時給をもらえる仕事もめっきり減った。多くの日雇い労働者は、いつ仕事がなくなるか日々気をもんでいる。徒労になる日も多い。当面の生計と子どもの教育のめどが立たず、苦笑いもできない。このような庶民に「国家改造」という具体的でない巨大談論は寝言よりも虚しい。

今のような状況で酒を飲んで歌を歌い、遊んでいられるのか、という集団心理と相互監視が、ただでさえ萎縮した内需消費をさらに凍りつかせる。ゴルフ場の客が急激に減ったことで生計を心配するのは、キャディやゴルフ場内のレストラン従業員などの弱者だ。因果はまわりまわるが、とにかく社会が硬直して活気を失えば、経済はよくならない。ただでさえ中産層以下の国民はこれまでも家計負債に苦しんできたので泣きっ面に蜂だ。

社会が明るいというよりも暗く、笑う人よりもしかめ面の人が多く、怒りが溢れる国に、外国から観光客が来るわけがない。迎える人がソフトで笑いがあり、親切で活力があってこそ、外国人も喜んで訪れ、お金を使うだろう。

お金も使う楽しみがあってこそ使うのであり、他人の顔色をうかがってお金を使わなければならない社会ムードでは、お金が隠れ、逃げるものだ。韓国国民の国内消費は減り、海外消費は増加している。昨日も中国行き、東南アジア行きの飛行機は多くの韓国人を乗せて飛び立った。彼らの財布のドルも主人について中国や東南アジアに流れた。

国内でお金が出まわれば庶民にも良いことだが、そのお金が国外に漏れ出るのには様々な理由があるだろう。韓国には、酒を飲んで歌を歌ったり、ゴルフをしてはならない人が多いかも知れない。よく外国に行き、遊んでショッピングをする人は、私のように愚かにもこのような話をせず、静かにお金を持って行く。

経済を立て直すことができる主体は政府の前に民間だ。政府は多くの税金を徴収するが、本来民生経済のために政府が直接できることは多くない。福祉で成長を培い、国が貧困を救済するよう訴えた選挙公約も虚しい。投資も生産も民間が自由に安心してできてこそ、そして犯罪でなく、他人の顔色をうかがわずに消費ができてこそ経済が活性化する。起業しやすく投資しやすい環境、各自の能力の範囲で、やりたいこと、買いたいもの、食べたいものにお金を使うことができる雰囲気になってこそ、経済が活性化する。それでこそ、国民生活の苦痛も取り除くことができる。

むろん、国も企業も個人も負担能力を越えた過消費は毒薬だ。ただでさえ借金が大幅に増加した。負債があれば節約しなければならない。ただ、お金があるなら使うべきことには使わなければならず、気軽に使えてこそお金がまわる。お金がまわってこそ貧富間の分配にもなる。

経済が活力を失い、成長潜在力を補充することが一層難しくなる構造に向かっている。にもかかわらず、世の中は経済よりも政治・社会的な問題に関心がある。私の考えでは、「国家を改造する首相、経済を立て直す経済副首相」、そのような偉人を探すことよりも、国民の経済心理を引き上げることが重要で緊急だ。これまで歴代どの首相も、どの副首相も、国民のことをしっかり考えた偉人はなかった。政界と社会運動が政府の人事に対して文句をつけるため、いざ促進しなければならない経済と市場の活性化はうわの空だ。米国は、2008年のサブプライム問題後、国民と国家の総力を経済に集中させて危機を克服した。

政府と政界に望む。怖がらせる政治、怒る公権力で、民生経済にさらにダメージを与えないでほしい。少しでも国民を楽しませ、国民が微笑むようにしてもらいたい。