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安倍首相の危険な独走、どこまで…

Posted June. 05, 2014 03:21,   

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北朝鮮が「核兵器を絶対に放棄しない」と明らかにしたにもかかわらず、日本が北朝鮮に対する独自制裁の解除を約束したことは、日米韓の対北朝鮮協力戦線に少なからぬ不協和音を生じさせる。日本が拉致問題の再調査をとりつけた見返りに北朝鮮の核保有国地位を既成事実化させる恐れがあるためだ。

●日本の韓中牽制カード

米国はすでに様々なチャンネルを通じて日本の行動に警告を発している。ケネディ駐日米大使は日朝合意の発表翌日の先月29日、日本メディアとのインタビューで、日本の拉致問題解決に向けた努力を支持しながらも、「米国と日本は、北朝鮮の核・ミサイル開発問題を外交安保の最優先課題として扱っている」と釘をさした。韓国と米国の6者協議首席代表も2日(現地時間)、米ワシントンで会合を開き、6者協議の再開条件について、「核を放棄する考えのない北朝鮮と対話することは無意味」という点を再確認した。

にもかかわらず安倍晋三政権が北朝鮮と手を握ったことは、任期内に拉致問題を解決するという政治的所信のためだけではないとする見方が多い。日朝交渉を東アジアで対立する中国と韓国を牽制する多目的カードとして活用する考えだ。

昨年末の靖国神社参拝以降、目立っている安倍首相の米国軽視の態度も、突然の日朝合意の一背景とみえる。安倍首相は日朝合意の直前まで米国に詳しい内容を知らせなかった。3日には、ロシアのプーチン大統領の側近であるセルゲイ・ナルイシキン下院議長を日本に招請して米国の神経を逆なでした。ナルイシキン氏は、ウクライナ問題と関連して西側から資産凍結、旅行禁止などの制裁対象に指定された人物だ。この件で安倍首相がオバマ大統領を出し抜いたという声もある。

4月の消費税増税の逆効果が経済指標に本格的に反映される今年下半期の支持率下落を拉致問題解決のカードで挽回しようという見方もある。

●絶えない日朝裏合意疑惑

共同通信が、北朝鮮のコメと医薬品提供の要請に日本が人道的物資輸送を容認するレベルで合意したと伝えたことで、日朝間の裏合意疑惑も提起されている。

北朝鮮がコメと医薬品援助を要請したことには、人道的事案に相互に誠意を示そうという特有の論理がある。自分たちが「人道的次元」で拉致問題の全面再調査に着手するのだから、日本も人道的な見地で北朝鮮に食糧支援をしてほしいということだ。

しかし、日本が韓国や米国と協議せず単独で援助することを憂慮する声も多い。1日、政府当局者が、「日本が北朝鮮に意味ある食糧援助をする時、米国など国際社会が黙っていない」と言ったのもこのためだ。核開発阻止に向けた対北朝鮮制裁が進行中の状況で、無原則な対北朝鮮支援がなされれば、国際社会の一致した行動に亀裂が生じることになる。

一方、在日本朝鮮人総連合会(総連)の機関紙「朝鮮新報」は3日、北朝鮮の宋日昊(ソン・イルホ)日朝国交正常化交渉担当大使が、「両国ができる問題から行動に移し、関係改善のムードを高めなければならない」と述べたと報じた。さらに同紙は、日朝局長級会談で、「朝鮮は総連本部ビル問題の解決がなければ朝日関係の進展はないという点を強調した」と付け加えた。