Go to contents

[オピニオン]日朝合意で重要になった習国家主席の動き

[オピニオン]日朝合意で重要になった習国家主席の動き

Posted June. 02, 2014 08:31,   

한국어

最近、日本のある官僚に日朝接触の展望について尋ねたことがある。彼は、「日本は対北朝鮮制裁を進めている。米国など周辺国の意思に反する対北朝鮮政策はない」と強調した。北朝鮮の長距離ミサイル発射に韓国よりも驚く日本の状況から見て納得できた。

しかし、先月の「ストックホルム日朝合意」は、日本が対北朝鮮問題で独自路線を選んだことを物語る。日本は国連の次元ではなく単独制裁だけ解除する計画であり、米国主導の既存の対北朝鮮制裁の枠組みは全て維持されると主張するだろう。しかし、日本の独自制裁は別個にあるのではない。国際社会の対北朝鮮制裁を支える核心軸だった。日朝合意で派生する制裁構図の変化は予想できない方向に展開する可能性がある。

何よりも韓半島問題の鍵を握る中国がどのような態度に出るのか関心を引いている。北朝鮮は、中国の安保利益を実現する核心的存在だ。米中関係が良くなれば、北朝鮮の戦略的価値は減る。一方、今のように米国の対中圧迫が強まれば、北朝鮮がいくら「中国の門の前で問題を起こしても」金正恩(キム・ジョンウン)政権を投げ出すことはできない。

中国はこれまで米国だけを見ていれば良かった。日本は主要変数ではなかった。しかし、日本が突然、対北朝鮮包囲網から離脱した。実は北朝鮮も中国を裏切った。歴史・領土問題で中国の宿敵である日本と手を握ったためだ。

しかし、中国は大義名分や実質で北朝鮮政権の安定を望む。日本の北朝鮮に対する送金制限の緩和と貿易再開に反対する理由がない。さらに中国は、日本が米国、韓国と異なる声を出し始めた点に注目するだろう。韓半島問題の関係国陣営が「北朝鮮と日米韓」の2グループから「北朝鮮、日本、米韓」または「北朝鮮+日本、米韓」に分化するうえ、韓米日の対北朝鮮協力の緩みが韓米日の対中協力に及ぼす可能性もあるからだ。

中国は日朝接触で自国の北朝鮮に対する統制が弱まることを放置しないだろう。日朝が近づけば近づくほど、様々な手段を使って北朝鮮に対する求心力を強化するだろう。そうなれば、朴槿恵(パク・クンヘ)政府になって辛うじて復元した中韓関係が再び悪化したり、韓国が北朝鮮の核問題解決に向けて中国に依存する思わしくないシナリオも排除できない。米国は、日本が韓半島問題で突出した行動に出ることは重荷だが、中国変数のために積極的に乗り出せない状況だ。結局、韓国だけが苦しい状況に追い込まれる可能性がある。

中国の習近平国家主席が近く韓国を訪れる。北朝鮮よりも先に韓国を訪問した中国指導者として記録される。韓国に来ても従来にない行動を取るだろう。しかし、中韓が1992年の国交正常化以降、これまで安保協力の分野だけ停滞していたことからも分かるように、両国の関係には克服し難い障害が存在する。米国と北朝鮮という変数のためだ。習主席の訪問が平壌(ピョンヤン)が先かソウルが先かは本質の面で重要ではない。外交政策が変わらなくても、外交の様態は変わり得る。

習主席の訪韓が、「北朝鮮核への共同対応の強化」、「経済協力の拡大」といった既存のレトリックで終わってはならない。韓国は、日本が作ろうとする新しい韓半島構図に中国がどのように介入するのか、この中国にどう対するべきか、習主席を通じて読み取り、韓国の要求を明確に提示しなければならない。平壌よりも先にソウルを訪問する習主席の行動に感激するには、韓半島をめぐる情勢が急変しており深刻だ。