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[オピニオン]北朝鮮がドラマ「鄭道伝」を恐れる理由

[オピニオン]北朝鮮がドラマ「鄭道伝」を恐れる理由

Posted May. 29, 2014 07:39,   

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「高麗(コリョ)が捨てたアウトサイダー。底辺から革命家として生まれ変わった男」。KBSの大河ドラマ「鄭道伝(チョン・ドジョン)」のホームページは、三峰・鄭道伝(1342〜1398)をこのように紹介している。高麗から朝鮮に変わる激動の時代、新王朝の設計者として活躍した三峰の一代記にスポットライトを当てた正統史劇が人気だ。

◆ドラマ「鄭道伝」旋風が休戦ラインを越えて北朝鮮にも広まったのだろうか。最近、北朝鮮政権が「鄭道伝」の不法流通を徹底して遮断するよう全国の保衛機関に指示したという。北朝鮮の住民に韓流ドラマを禁止するのは珍しいことではないが、今回のように名指しで特定ドラマの取り締まりを指示したのは極めて異例のことだ。北朝鮮の専門家たちは、現代版王朝国家で「鄭道伝」を恐れる理由を「自分たちがタブー視する易姓革命を扱っているため」と説明した。

◆ドイツ統一の過程で、東ドイツの住民が西ドイツのテレビを視聴していたことが決定的な役割を果たした。「東ドイツの住民が8時から西ドイツに向いているという冗談が生まれるほど、西ドイツのテレビを多く視聴し、西ドイツについてよく知っていた」。3月、朴槿恵(パク・クンヘ)大統領がドイツを訪問した際、ロタール・デメジエール元東ドイツ首相が言った言葉だ。実際、東ドイツ政府は1952年から1971年まで西ドイツのテレビの受信を厳しく取り締まったが、1971年以降、視聴を事実上黙認し、1980年から視聴を許可した。テレビの視聴を完全に統制する方法がないうえ、体制崩壊の危険性がないと確信し、住民の不満を鎮めるための政策的判断だった。

◆朝鮮の開国功臣であり、政敵の刃によって命を失って闇に葬られていたが、朝鮮末の高宗(コジョン)の時、官職に返り咲いた三峰。彼の夢は、民が国の主人になる世の中だった。1編のドラマが地球上で最も閉鎖された社会にどのような変化をもたらすのか未知数だ。韓国の放送を見ることができる指導層が三峰の教えから「人民を恐れる心」を学ぶのなら、それだけで十分だ。「民の心をつかめば民は服従するが、民の心をつかむことができなければ裏切られることになる」。(朝鮮経国典)

高美錫(コ・ミソク)論説委員mskoh119@donga.com