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「地下経済」に打ち込むデパート

Posted May. 22, 2014 06:37,   

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「今日、デパートやらないんですか?」

21日午後、ソウル中区小公路(チュング・ソゴンロ)の新世界(シンセゲ)デパート本店。地下1階で、1人の中年女性が店員に聞きました。先日までは、数多い人たちが出入りしていた食品売り場の入口に、「工事中」という表示板がかかってたので、それもうなずけます。

新世界デパートは最近、本店の食品売り場の再編計画を明らかにしました。その柱は、「グルメ誘致」です。鋻潭洞(チョンダムドン)の韓国料理店や漢南洞(ハンナムドン)の家庭食料理屋など、ソウル市内の有名飲食店や海外有名デザートブランドを持ち込んで、来月から順次、披露するという計画です。

多くのデパートが、「地下経済」の活性化を進めています。決して悪いことではありません。主に地下食品売り場をリニューアルし、新しい「コア力量」として仕上げていくといいます。

現代(ヒョンデ)デパートは最近、ソウル狎鷗亭洞(アブクジョンドン)の本店や貿易センター店の地下食品売場の内装変えのため、「食品強化発展チーム」を立ち上げました。料理士や伝統飲食店の経営者、コンサルタントなど、外部の専門家らが、そのメンバーです。彼らは、どんな飲食店を新たに出店させるか、どんなテーマで食品売り場の内装変えをするかを決めるため、イタリアや米国などへと出向いています。ロッテデパートは、デザートに焦点を合わせました。チーズケーキや生クリームなどを作るメーカー7社を集めた「デザートゾーン」を、本店や建大(コンデ)スターシティ店に出しました。

これまで、わが韓国のデパート各社は、ファッション売場の再編に最大の主眼を置いてきました。ファッション売場は、デパートの「花形」であり、最も重要な売上げの源でした。そんな見方からすれば、最近の食品売り場の強化は、確かに「一風変わった動き」です。

デパート各社が、食品売り場の強化に打ち込んでいる理由は簡単です。今は、食品売り場が優れていてこそ、デパート全体の売上げが上がるからです。ここ数年、韓国内主要デパート各社は、成長の低迷で頭を悩ませてきました。

ところが、海外の事例を見ると、いかなる商品より、食べ物が売り上げ増加に役立つことが分かったのです。人たちは、文化のレベルが上がるほど、味(食べ物)や経験(旅行)に、より多く投資するそうです。日本のオンライン市場調査専門機関「マイボイス」が最近、デパート利用客1万2000人を対象に調査した結果によると、「いつデパートを訪れるか」という質問に対し、「地下の飲食コーナーを利用する時」と答えた回答者が36.8%と最も多かったのです。

これからも当面、デパートの地下では引き続きハンマーの音が聞こえてきそうな気がします。