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[社説]大統領府の公共放送KBS報道介入、事実なのか

[社説]大統領府の公共放送KBS報道介入、事実なのか

Posted May. 20, 2014 03:02,   

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国民の受信料で制作される公共放送のKBSが、深刻な信頼危機に直面した。KBSの記者たちは19日、政府との癒着説を主張し、吉桓永(キル・ファンヨン)社長の退陣を求めて制作拒否に突入した。KBS部長団18人も先週総辞職し、ニュース制作に支障を来たしているうえ、野党推薦のKBS理事たちが理事会に「社長解任案」を提出した。

KBS問題は、金時坤(キム・シゴン)報道局長が先週、報道と大統領府の出入り記者の人事に大統領府が関与したと暴露して辞任したことで起こった。金氏は16日、KBS記者協会の緊急総会で、「吉桓永社長が、私の辞任が大統領府の意向だと伝え、涙を流した」と主張した。また、「大統領府から海洋警察の非難を自制してほしいと(私に)電話をしてきた。報道が続けて流れたため、社長に呼び出され同じ話をされた」とし、大統領府が吉社長に圧力をかけたことをほのめかした。

吉社長は19日記者団に対して、「金前局長との業務の話が誇張・歪曲されている」とし、辞任する考えがないことを明らかにした。そして、「今回の事態は、報道本部の非民主的な取材報道システムの問題点を改善する機会になる」と主張したが、自分が直面した窮地から逃れるために関係のないところに矛先を向けようとしている。金前局長の暴露を作り話と見るにはあまりにも具体的だ。外圧に対抗して言論の独立性を守らなければならないKBS社長と報道局長が、ニュース歪曲攻防をしていたこと自体が、公共放送の恥ずべき本性を物語る。

大統領府は、KBSの報道に介入した事実があるのか明らかにしなければならない。特に、朴槿恵(パク・クンヘ)大統領も「失敗」と認めた海洋警察の救助活動に対する批判報道をやめるよう指示した人が誰なのか、明らかにしなければならない。朴大統領は、「放送を掌握する考えはまったくなく法的にも不可能だ」と強調した。大統領秘書室が、新聞をはじめ他のメディアが批難する海洋警察の問題点を縮小して報道するようKBSに圧力をかけたとすれば、公共放送の独立性と公正性を脅かす重大な問題だ。金前局長の暴露が事実でないなら、大統領府は名誉毀損で告訴すべきだろう。

KBSは韓国を代表する放送局であり、国家災害主管放送局だ。国家的災害が起これば、迅速かつ正確な報道で国民の生命と財産を守らなければならない責務がある。セウォル号惨事の中、KBSが内輪もめをする姿を見た視聴者は、受信料がもったいないと思うだろう。KBSは、政権が変わる度に大統領のコードに合わせた天下り人事と労組の阻止闘争で静かな日がなかった。政権が変わる度にKBS社長の席を政権創出の戦利品程度に考える限り、私たちは責任があり独立した公共放送を持つことはできない。