Go to contents

米政府の行き過ぎた民間委託、スノーデン事態を招いた

米政府の行き過ぎた民間委託、スノーデン事態を招いた

Posted May. 10, 2014 07:39,   

한국어

昨年、米連邦政府を苦境に立たせた代表的な出来事は、国家安保局(NSA)元職員のエドワード・スノーデンが、NSAの違法盗聴事実を暴露したことと、オバマケアのウェブサイトのトラブルで、健康保険加入の義務付け実施に支障をきたしたことだった。専門家らは、このふたつの出来事は両方とも、連邦政府が主要機能を、民間部門に過度に委託したことによるものだと分析している。

米法務部は今年1月、政府の身元照合業務を、10数年間代行してきたユーエス調査サービス(USIS)を相手に、民事訴訟を起こした。この会社が66万人あまりのでたらめなお問い合わせの結果を、米政府に提出した容疑だ。

国防部と国土安保部など、各国家機密取り扱い機関は、契約勤務者らを選抜する時の事前身元照会をこの会社に委託してきた。しかし、08年〜12年に提出された身元照会結果のうち、40%はでたらめだった。違法盗聴傍受を暴露したスノーデンや、昨年9月、精神疾患者で、幻覚状態で無差別に射撃を加え、12人の命を奪った防衛産業メーカーの職員・アラン・アレキシスも、でたらめな照会対象に含まれていることが明らかになった。

ビル・クリントン政権が1996年、国家安保関連身分照会事業の民間への委託を開始してから、政府委託の身分照会会社各社は急成長を遂げてきた。受注件数の90%を政府から受けてきたUSISは、公務員との癒着関係を利用して身元照会を中途半端に処理してきており、このような慣行を、米連邦政府の人事管理を担当する人事管理処(OPM)にまで隠してきた。

バラク・オバマ大統領が再選に成功すると、最も野心を持って推進してきた米国民の健康保険加入の義務付け拡大を柱とするオバマケアも、予期せぬウェブサイトへのアクセストラブルで支障をきたした。昨年10月1日にオバマケア加入ウェブサイトがオープンすると、300万人以上の米国民が申請のためにアクセスしたが、初日に登録を済ませた人はわずか6人にだった。ウェブサイトの問題は、1ヵ月間続き、オバマ大統領の支持率はもとより、政府政策の信頼性に大きな傷がついた。米議会は聴聞会を開き、保健部からウェブサイト制作委託を受けたCGIグループが、実力の無い人員を大勢雇った影響が大きいと、結論付けた。米紙ワシントンポストは、CGIグループが04年、情報技術(IT)会社・AMSを買収した後、この2年間、少なくとも25の連邦政府関連機関と23億ドル相当の契約を交わしてきたが、複数のところで、同様の問題が起きたと指摘した。

1期目のオバマ政権で、調達政策庁長を務めたジョージワシントン大学法学部のダニエル・ゴードン教授は、ワシントンポストに、「政府規模を減らす政策によって、主要業務まで民間に委託する傾向に拍車がかかり、現在、政府業務の最大半分は、公務員の手を離れている」とし「(このような動きは)結局、でたらめなことと明らかになっており、主要業務は、再び公務員が手がけるべきだ」と語った。