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[オピニオン]バナナ人種差別

Posted May. 01, 2014 06:55,   

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小学校の時、クラスで親しかった女子生徒の母親が言った。「うちの○○が事情があって遠足に行けなくなったんだけど、君もバナナを食べながら家で一緒に遊ぶのはどう」。楽しい遠足とおいしいバナナを選べとは!人生とは選択であるということをその時知った。誘惑を断ち切って遠足に行き、のり巻きとリンゴを食べた時、頭の中でバナナがちらついた。輸入の果物が珍しかった時代だった。

◆米国の幼稚園の「トップバナナ(Top Banana)」プログラムを見たことがある。先生の話しをよく聞く学習活動に積極的な模範的な子どもを選び、1週間、教室の壁をその子どもの絵や写真で飾る。子どもたちの動機づけには適切だ。トップバナナは、主人公や組織のリーダーなどを表す言葉だ。一方、米国にかなり同化し、母国のアイデンティティを失ったアジア系を米国人が「バナナ」と言う時、多分に皮膚の色を念頭に置いた表現となる。表面は黄色だが中は白いというたとえは愉快なはずがない。

◆バナナは有色人種を差別する道具としてよく使われる。欧州やロシアなどではサッカーの試合の時、観衆が有色人種の選手にバナナを投げたりサルの声をまねてやじることがしばしばある。低級な人種差別だ。英国に進出したキ・ソンヨン選手も2010年11月にスコットランドで相手チームの一部応援団から人種差別を受けた。彼は2011年1月、アジアカップの日本戦の時、先制ゴールを入れた後、サルまねをして物議を醸した。

◆28日、スペインのFCバルセロナのダニエウ・アウヴェス選手が観覧席から飛んできたバナナを平然と拾って食べ、試合を続けたことに対して、世界各地から激励の声が起こっている。同じブラジル出身のネイマール選手や、モデル、政治家などが「僕たちはみんなサルだ」という言葉とバナナを食べている写真をソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)に掲載し、アウヴェス選手に賛同した。バナナを投げ込んだ観客は生涯入場禁止となった。軽率な人種差別で、バナナの皮で転ぶように恥をさらすことになった。

韓起興(ハン・ギフン)論説委員eligius@donga.com