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[オピニオン]悩みの種「ダイビングベル」

[オピニオン]悩みの種「ダイビングベル」

Posted April. 29, 2014 05:06,   

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旅客船・セウォル号沈没事故の海域には、船が200隻以上浮いている。沈没したセウォル号の船首のほうに、土色の空気袋2個がついており、その隣には、バージ船「リベロ」から、潜水士が海に飛び込んで、行方不明者を探している。海軍や海洋警察所属の潜水士は、セウォル号とつながっている6つの水中ガイドライン(潜水士が、海中で船体に入るためのロープ)を握って捜索をする。ガイドライン1本につき2人1組で動いており、最大12人が同時に作業することができる。

◆先週、遅れる救助に堪忍袋の緒が切れた行方不明者の家族らが、金錫均(キム・ソクギュン)海洋警察庁長に「ダイビングベル」の投入を要求した。鐘の形をしているダイビングベルは、潜水士らが、より長く水中で滞在できるようサポートする水中エレベーターのようなものだ。水中作業の途中、その中に入ってしばらく休憩を取ることもできる。ダイビングベルを利用すれば、捜索時間を伸ばすことができそうな気がするが、投入条件は大変難しい。「ダイビングベルが行方不明者の救助を早めることができる」というイ・ジョンイン・アルファ潜水技術代表の言葉を耳にした行方不明者の家族らが、金庁長に要求して貫けた要求だった。イ代表は、哨戒艦「天安(チョンアン)」艦沈没の時、座礁説を主張した人だ。

◆イ氏は、3日間に渡ってダイビングベルの投入を試みたが、不発に終わった。潮流が激しい上、イ氏の船から降ろしていた錨鎖が、バージ船「リベロ」の錨鎖とぶつかって、潜水士の命綱ともいえるガイドラインに触れてしまった。事故につながりかねない危険な瞬間だった。ダイビングベルが、潮流に流される事故も起きかねない。

◆海軍は、ダイビングベルより性能の優れた深海潜水装備の海底移送用カプセル(PTC)も投入できずにいる。PTCを搭載した海軍の鋻海鎭(チョンへジン)艦は、1999年、水深157メートルの南海岸の海底に沈んでいた北朝鮮の潜水艇を引き上げた経緯がある。潮流の激しさとは関係なく、20時間連続して作業ができると主張していたのに、空言だったのか。安全に脅威を覚えたリベロのバージ船の潜水士との不協和音もある模様だ。藁にもすがりたい行方不明者の家族らの失望は大きいだろう。しかし、家族らの悲しさに便乗した生半可な専門家らが、救助作業に混乱を与えるようなことがなきことを願う。

崔永海(チェ・ヨンへ)論説委員 yhchoi65@donga.com