Go to contents

テレビを総なめにしたバラエティの新マッチョたち

テレビを総なめにしたバラエティの新マッチョたち

Posted March. 25, 2014 04:51,   

한국어

来月9日の初放送を控えているKBS番組「俺は男だ」。レギュラー編成はまだ決まっていないパイロット番組だが、国民的MCと言われるユ・ジェソクが司会を務めることだけで、メディアから熱い関心が寄せられている。ユ・ジェソクが新しい番組を引き受けるのは、「日曜日が好きだ:ランニングマン」以降4年ぶりのことだ。

この番組は、「男の、男による、男のための」集団トークショーを打ち出している。共同司会役は、ユ・ジェソクをはじめ、ノ・ホンチョルやイム・ウォンヒに至るまで、全員が男性だ。初の収録には、男子中学校、男子高校、工科大学出身の一般人男性傍聴客250人が一緒に参加したという。オンラインサイトに掲載された傍聴後記によると、同日の収録現場は、軍隊の兵営生活館を髣髴させた。傍聴客らは、ゲストである「ミスエイ」のメンバー・スジが出演すると、熱い喚声を送る一方、スチールハートの「シーズゴーン(She’s Gone)」や任宰範(イム・ジェボム)の「告解」など、男性に人気のある歌を「一緒に」歌った。「俺は男だ」の制作陣は、「最近の男性は、社会や家庭から疎外されている。男性同士が胸を開いてコミュニケーションを図り、お互いに慰めあうのが、この番組の狙いだ」と明らかにした。

バラエティ番組はかつてから「男性専有物」だった。笑いを提供するために、笑いものにされることも厭わない男性出演者が好まれてきた。MBC番組「無限挑戦」やKBS番組「ハッピーサンデー:1泊2日」、SBS番組「日曜日が好きだ:ランニングマン」など、テレビ局の代表的バラエティ番組は、全て男性だけが出演したり、男性出演者が中心となっている。

最近は、さらに一歩進んで、男性性や兄妹愛、男子的見方を打ち出した芸能が加わっている。MBCの番組「日曜の夜:本物の男」、SBS番組「ジャングルの法則」、XTM番組「ザ・バンカー」のように、軍隊や狩猟、自動車など、男性の関心事を浮き彫りにした番組が目立って増えている。男性の事細かなプライバシーを公開したり(MBCの「男の1人暮らし」)、男性の見方が中心となっている「わいせつな」トーク(tvNの「SNLコリア」やjtbcの「魔女狩り」)が人気を集めている。XTMチャンネルのミン・ジョンホ・チーム長は、「かつては、着こなしのよい男性を扱った番組が多かったが、最近は、一般人の格闘技体験のように、男性的本能に忠実な番組が人気だ」と伝えた。

成功した女性が浮き彫りになる社会で、「その中身を見ればかわいそうな男たち」を慰めたり、新しい男性性を求める形も目に付く。MBC番組「日曜の夜:パパ!どこ行くの?」、KBS番組「ハッピーサンデー:スーパーマンが戻ってきた」は、そのタイトルから、子育てにいそしむ父親としてのアイデンティティを打ち出している。

興味深いことは、このような男性の物語に、女性達がより大きな関心を示していることだ。放送関係者らは、男性向け番組は、男性から共感を得るだけでなく、女性視聴者らにも新鮮に近づくことができると分析している。一例として、「軍隊芸能」ともいえる「本物の男」の性別視聴シェアは、45対55の割合で、女性視聴者の割合が高い。金ウンヨン文化評論家は、「テレビで男性性を打ち出す番組の主要視聴者は、その大半が女性だ」とし、「女性の知らなかった本物の男たちの物語が、女性視聴者らの好奇心を刺激しているからだ」と話した。

日々高まっている社会的不安が、このような番組の増加に影響を及ぼしているという見方もある。中央(チュンアン)大学社会学科のイ・ナヨン教授は、「最近、人気を集めている男性は、家父長的マッチョではなく、身体的・経済的能力があり、妻や家族までよく面倒を見る『新マッチョ』だ」とし、「不安定な社会で、強い男性性を求めるのは、男も女も同様だ。このような傾向が、放送でさまざまな形で現れている」と分析した。