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男子バドミントンの李龍大、ドーピング違反で出場停止に 呆れる協会の対応

男子バドミントンの李龍大、ドーピング違反で出場停止に 呆れる協会の対応

Posted January. 29, 2014 03:23,   

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昨年11月6日、ソウル泰陵(テルン)選手村。アスリートたちの禁止薬物の服用有無の検査を担当する世界反ドーピング機構(WADA)の職員が韓国男子バドミントンの看板スター、李龍大(イ・ヨンデ=26・三星電子・写真)を探した。隠密に入国し、李龍大が同日、自身の所在地としてWADAに登録した居場所を訪問したのだ。ところが、李龍大はそこにいなかった。全州(チョンジュ)で開かれている国際選手権に出場していたからだ。

WADAは李龍大がドーピング検査を回避しようとしていると受け止めた。李龍大には、今回のような状況が初めてではない。昨年3月にも似たような理由でドーピング検査に応じられなかった。同9月には選手に代わって業務を処理していた大韓バドミントン協会が登録期限を越え、WADAから指摘された。3回にわたりドーピング検査のための居場所情報義務を怠った李龍大は、同じ容疑を指摘された金基正(キム・ギジョン=24・三星電機)と一緒に重い紹介処分を受け、今年9月に開催されるアジア大会への出場が厳しくなった。

大韓バドミントン協会は28日、ソウル松坡区にあるオリンピックパークホテルで緊急の記者会見を開き、「WADAの通報により、世界バドミントン連盟(BWF)が24日、李・金選手に1年の資格停止処分を科した」と明らかにした。李龍大は故郷の全羅南道和順(チョルラナムド・ファスン)に滞在しながら外部との接触を避けているという。

同協会の金重洙(キム・ジュンス)専務は、「李・金選手は、いかなる禁止薬物も服用していなければ、検査を拒んだり故意に回避してもいない」とし、「今回の懲戒処分は薬物検査と関連した手続きの規定違反によるものだ」と釈明した。金専務は、また「昨年、何度もあった国際大会で両選手はともにドーピング検査を通過している。今回のような懲戒は初めてだ」と話した。

協会と両選手は13日にデンマークに渡りWADA聴聞会に出席して無実を主張したが、受け入れられなかった。協会は来月17日以前に、スポーツ仲裁裁判所(CAS)に控訴することにした。金専務は、「出場停止期間を3〜6ヵ月に減らすためにに全力を尽くしたい」と話した。出場停止期間が6ヵ月に減れば、1月23日から遡及適用され、アジア大会出場が可能になる。

WADAはオンライン化された反ドーピング管理システム(ADAMS)を使って、各国の種目別の世界ランキングに応じて、指定選手の3ヵ月間の居場所を半期毎に登録するようにしている。これを受け、主要大会で行われる通常のドーピング検査だけでなく、抜き打ちで登録地を訪ねて検査を行う例が増えている。居場所情報を3回以上違反している選手は懲戒処分を受ける。

このようにドーピング政策は日増しに厳しさを増しているのに対して、協会の対応は極めて安易だった。簡単なインターネット接続だけで、いつでも居場所の登録を変更できただけに、今回の騒ぎは、十分回避できた人災だ。協会が12人前後のWADA登録対象選手の居場所をそのつど管理するのが事実上不可能だったにもの関わらず、協会は改善の努力さえもしていなかった。

一方、WADAの制度については、プライバシー侵害だと批判する声も上がっている。韓国女子バドミントン代表のソン・ジヒョンの場合、ソウル江東区(カンドング)にある自宅に、午後10時にドーピング検査官が押しかけた。当時、自宅近くで友達と会っていたソン・ジヒョンは、慌てて帰宅し、検査を受けた。1時間内に現れなければドーピング検査に応じなかったことになるからだ。