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子どもをダメにしたいならスマホを与えよ

子どもをダメにしたいならスマホを与えよ

Posted January. 11, 2014 03:44,   

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子どもがオンラインショップの注文ボタンを誤って押したために巨額の製品が届き、親を困らせたという海外トピックは、今ではニュースにもならない。子どもたちがデジタルに接する時期が早まり、使用時間も増える時代の親たちは戸惑う。子どものデジタル機器使用法に関する様々な本が出版されたが、昨年下半期、米国で出版されて評判の高い「大きな断絶(The Big Disconnect):デジタル時代の子どもと家族関係の保護」は親の必読書とされる。著者は、25年以上もの間、児童や青少年の心理を研究してきた心理学者キャサリン・シュタイナー・アデール。

ベビーブーム世代の子どもで1970年代の中・後半に生まれたY世代は、コンピュータに慣れ親しむ最初の世代と言われる。自分がデジタル機器をよく扱うので、子どもにも寛大だ。ある調査によると、Y世代の母親の3分の1が子どもが2才になる前にスマートフォンを使わせると答えた。著者はこれを引用して、「少なくとも2才前にスマートフォンやタブレットPCを子どもに触らせてはならない」という第1の原則を提示する。これには、医師、科学者、心理学者、児童学者の意見が一致した。

著者は、ネット世代とそれ以前の世代の最大の相違点を「待つことと忍耐」と指摘した。別れた恋人にまた会おうと言うために公衆電話のブースの前で列をつくって待つ人々、図書館で膨大な書籍を一つ一つ探す人々。彼らは面倒なことに耐えてより大きな幸せを感じ、頭脳が創意的に動く時間を得ることになる。これは子どもも同様だ。特に、子どもは待つことを通じて衝動を自ら節制する能力と挫折に打ち勝つ方法、そして創意的な解決方法を探し出す頭脳を訓練する。

親が忙しいという理由で、子どものおねだりを煩わしく思って容易くスマート機器を与えることは、貴重な機会を奪うことだ。著者は、4才の子どもが1人で靴をはくことよりも先にスマートフォンのアプリケーションをダウンロードする方法を学ぶのを見て、「デジタル機器が親に取って代わっている」と指摘した。最近増加している「注意欠如・多動性障害(ADHD)」の子どもの患者の多くが、幼い頃からデジタル機器に接したと強調する。そのうえ、ソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)にはまって、少しの間でもブログをアップしなければ罪悪感を抱く子どものために「家族関係の飢きん」現象がひどくなっている。

著者は、安全で教養のあるデジタル使用法を子どもにしっかりと教える必要があり、これは社会での成功とも直結すると指摘する。具体的には、子どもを外で友達と遊ばせること、家族とボードゲームをすること、食卓や居間のテーブルにスマート機器を置かないことなど、お馴染みの内容だ。しかし、この簡単な対処法を子どもとしっかり実践することは容易でないということを近頃の親は共感しているようだ。