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[オピニオン]台本なきホワイトハウスの記者会見

[オピニオン]台本なきホワイトハウスの記者会見

Posted January. 08, 2014 03:01,   

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冬休みに取る前日の昨年12月20日。オバマ米大統領がホワイトハウスの記者クラブの演壇に立った。49席ある記者クラブはぎっしりと詰まり、席が取れずに立っている記者まで入れると100人あまりはいた。年末の記者会見は1時間にわたり、オバマ大統領は冒頭発言の7分を除いた残り時間を記者団の質問に答えた。

◆記者経験は、事前の台本なしに行われる。大統領演説の際に良く使われるプロンプタもない。ハイライトは質疑応答だ。大統領がどれだけ懸案問題を把握しているのかが如実に表れる。オバマ大統領は会見当日、カーニー大統領報道官から質問する10人の記者リストを受け取って、順番に質問の機会を与えた。前列と2列目には影響力の大きいメディアの記者が座る。質問は手厳しかった。墜落する大統領の支持率、スノーデン氏が暴露した国家安保局(NSA)の盗聴活動疑惑、漂流するオバマケア(健康保険改革法)、議会との対立に至るまで、遠慮などない。

◆記者の矛と大統領の盾は、譲歩なき一本勝負だ。オバマ大統領が「良い記者」だろうと思って最初の質問権を与えたというAP通信の女性記者は、「今年が大統領にとっては最悪の一年ではないか」と唐突な質問を投げかけ、始まりからオバマ大統領を追い込んだ。大統領の答弁がテーマから少しでも外れようとすると、答弁の途中からでも割り込んで問い直す意地悪な記者も何人もいる。険しい雰囲気が収まりかけると、ある女性記者が大統領の新年に向けた決意を聞いた。オバマ大統領が「ホワイトハウスの記者らに、もっと親切に向き合おうこと」だと話すと、初めて爆笑が沸き起こった。

◆3億の米国国民がテレビで生中継される大統領の会見を最初の任期4年間、78回にわたって見守りながら、自分が大統領に問い質しているような代理体験をした。大統領は、どんな質問が出るか分からないため、事前の準備も容易でないだろうが、それでも相手が満足するまで答え続ける。米国大統領の記者会見には緊迫感がある。就任10ヵ月にして初めての記者会見、それも質問内容を事前に全部教えた上での呈がばればれだった朴槿恵(パク・クンヘ)大統領の新年記者会見とは対比される。

チェ・ヨンヘ論説委員 yhchoi65@donga.com