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理工系人材の韓国離れが深刻、急がれる研究環境の改善

理工系人材の韓国離れが深刻、急がれる研究環境の改善

Posted January. 08, 2014 03:01,   

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韓国はスイスの国際経営開発研究所(IMD)がまとめた頭脳流出指数によると、最も早いテンポで高級人材が海外へ出て行く国家グループに属している。とくに理工系の修士・博士級人材の海外流出が深刻な水準だ。

理工系の高級人材は、大半が米国留学を好んでおり、一旦海外へ出てしまうと、韓国に帰ろうとしない。韓国の研究環境が遅れているだけでなく、高級人材に対する経済、社会的な待遇が先進国に比べて大きく遅れているからだ。

米国の科学財団(NSF)が2008年に米国で博士号を取得した人の国際流動性を調べたところによると、米国で科学・技術・保健分野で博士号を取得した韓国人の中で、半数以上(54%)が米国に残り、44%だけが韓国へ戻ってきた。

科学技術政策研究院が2006年から3年毎に調査している「理工系人材の流出入実態調査」によると、理工系大学院生の場合、2006年に1万866人が海外へ出たが、2011年には1万2240人が出ており、年平均2.4%の増加率を示している。彼らが留学の道を選ぶ理由は、研究水準が高く環境が良いからだ。

国家科学技術委員会の政策諮問官を経験した漢陽(ハンヤン)大学のペ・ヨンチャン教授(化学工学生命工学部)は、理工系の修士・博士級人材の流出が強まっている理由として3つを挙げた。学生たちの期待値が高くなっており、現実的に韓国で就職できる働き口が少ない上、韓国の研究を取り巻く文化が創意性を活かすには物足りないからだという。

ペ教授は、この中でも研究環境の改善が最も急がれていると診断した。ペ教授は「外国から帰国した研究者たちは、韓国の研究を取り巻く環境に失望する例が大変多い」とし、「政府が理工系離れ減少を食い止めようと研究費や研究施設を増やすことだけに集中する、いわばお金で解決しようとする政策では研究環境の改善の効果は期待できない」と話した。

ペ教授は、研究環境を短期間で改善するためには、政府出資の28の研究機関と科学技術特性化大学で外国人を機関のトップや学長に大量に迎え入れて、閉鎖的で排他的な国内科学界の文化を変え、厳格な上下関係を打ち砕かなければならないと指摘した。

理工系人材の流出入実態調査に対して、海外の韓国人留学生たちが答えた理由も、こうした指摘を裏付けている。米国や日本に留学している理工系の修士・博士たちの回答には、「学問や技術のレベルが高いから」「報酬など金銭面の条件が良いから」という回答とともに、「自律性と独立性が保障される職場の文化と研究環境のため」という回答が多かった。

優秀な理工系人材が帰ってきても居場所がないのも問題だ。光州(クァンジュ)科学技術院のイム・シンヒョク生命科学部教授は、「外国で修学した博士研究員(ポストドクター)が就ける正規の仕事の中で狭き門である教授職を除けば、政府出資研究所と企業の研究所がある。政府出資研究機関は現在、新規採用を凍結しており、企業は研究分野が少しでも違っていても採用しないのが現実だ」と話した。