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[オピニオン]スキニージーンズの復讐

Posted January. 07, 2014 06:15,   

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映画「風とともに去りぬ」のスカーレット・オハラ(ビビアン・リー)は、コルセットを身につけるため、ベッドのポールを握ったまま、メイドから手助けを受ける。「タイタニック」の女主人公のローズ(ケイト・ウィンスレット)の母親は、娘のコルセットを締め付けながら、金持ちの婚約者との結婚を強要する。ローズが愛を感じたジャックに、自分の肖像を書いてほしいとコルセットを脱ぐ行動は、因習からの決別を意味する。「パイレーツ・オブ・カリビアン」で、エリザベス(キーラ・ナイトレイ)は、コルセットのため、呼吸をすることができず、海に転落する。

◆胸を目立たせ、ウェイストを細くさせるコルセットは、女性の美の長年の象徴だったが、呪縛や苦しみの異名でもある。16世紀半ばから欧州で流行っていた当時、コルセットは、木や鯨の骨、ひどい場合は、鉄などの硬い材質からできており、長時間身につけていれば、健康に害を及ぼさざるを得なかった。呼吸ができなかったり、肋骨が折れ、折れた骨が臓器を傷つけ、命を落とす出来事も数え切れないほど多かった。

◆美しさのため、健康を犠牲にしたコルセットの亡霊は、現代でも繰り返し現れている。足の静脈の血管が拡張され、こぶのように膨れ上がる下肢静脈瘤患者が、20代で急増しているが、その原因はスキニージーンズやブーツのためだという。11年、仁荷(インハ)大学の羅英珠(ナ・ヨンジュ)教授チームが、女子大生100人を対象に調査したところ、スキニージーンズのために足が腫れたり、痺れる経験のあった人が14%もあり、骨盤や腰、ひざ、ふくらはぎの順に痛みを感じたという。にもかかわらず、多くの女性が、下半身のラインがセクシーに見えるスキニージーンズを諦めずにいる。

◆スキニージーンズは、立った状態では履けない。座り込んで、ストッキングをはくように引き上げた後、立ち上がって、地団駄を踏んでこそ、腰まで引き上げることができる。脱ぐ時も大変だ。その上、足を締め付けるロングブーツまで履くことになれば、血液循環に障害をきたすのは当然だ。スキニージーンズだけでない。へそをあらわにするTシャツは、体温を下げるため健康によくない。かかとが10センチを超えるキールヒールは、足の指が曲がる外反母趾を引き起こす。若い女性らよ、美しさを追い求めるのは女性の本能だが、健康でなければ美しさも保つことは決してできないことを肝に銘じてほしい。

鄭星姬(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com