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教学社の教科書を学校から追い出した画一主義の左派史観

教学社の教科書を学校から追い出した画一主義の左派史観

Posted January. 06, 2014 03:25,   

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3月の新学期から教学社の韓国史教科書を使用する予定だった高校が相次いで採択を取り消している。当初この教科書を選定した15校のうち14校が決定を覆した。全国2318校の高校のうち全州(チョンジュ)の象山(サンサン)高校を除いて教学社の教科書を選択した学校は1校もないことになる。問題は、特定の教科書に対するこのような異例の排斥現象が各学校の自律的な判断によるものではないということだ。

教学社の教科書を採択した高校は、一様に全教組や野党、左派の歴史教育学界の執拗な攻撃に苦しんだ。「なぜ親日と独裁を美化した誤りだらけの教科書を採択したのか」という非難がネットの掲示板や電話、大字報、デモにつながった。父兄や同窓会まで動員した波状攻勢だった。象山高校も、専門家で委員会を構成し、教学社の教科書が果たして親日教科書なのかどうか検証して採択するかどうかを最終決定する計画だ。

教学社の教科書は、教育部の検定と修正命令を通過したため、史実に大きな問題があると見ることはできない。急いで作ったために誤りが最も多かったが、修正本を見ると日本による植民地支配期や5・16、維新などの近現代史の重要な内容をバランス感覚を持って批判的に記述している。にもかかわらず、この教科書に対して「採択率ゼロ」運動を組織的に行うのは、大韓民国の建国と韓国戦争に対して右派的史観の叙述をしたことを問題視するためだ。

教科書検定制度の趣旨は、国定教科書として画一的な知識を生徒に注入するのではなく、一定基準を通過した多彩な教科書を学校に提示し、自律的に判断させることにある。そうした点で、自分たちと史観が異なる特定教科書の選択を阻止する行動は、多様性を無視する画一主義の考え方だと非難されても仕方がない。過去、金星社の近現代史教科書に対して左寄り問題が起こった時も、今のように学校が採択に関して不当な圧力を受けたことはなかった。韓国現代史学会が5日、声明を出し、「抗議デモ、監査請求、世論威嚇の方法で教学社の教科書採択の撤回に圧力をかけることは、自由な意思表明を越えて違憲の危険がある。左派陣営が全体主義的な方法に出ている」と指摘したことは説得力がある。

どの教科書を生徒に教えるかは、純粋に教育的な観点で判断しなければならない。自分と異なる見解や史観は決して容認できないという偏狭な態度では、生徒に健全な歴史教育はできない。理念的に偏った教師と教科書で教育を受ける生徒が増えるなら、朴槿恵(パク・クンヘ)政府が韓国史を修能(日本の大学入試センター試験に該当)の必修課目にしたことが、かえって仇になるかもしれない。