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阪神の呉昇桓「韓国でのように直球とスライダーで勝負」

阪神の呉昇桓「韓国でのように直球とスライダーで勝負」

Posted December. 06, 2013 03:58,   

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米大リーグ史上最高の抑え投手は、今シーズンを最後に引退したマリアノ・リベラ(44)だ。選手生活の大半をニューヨークヤンキースで送った彼は、19年間652セーブを挙げた。大リーグ通算最多記録だ。

リベラと言うと思い浮かぶのはカット・ファーストボール(カッター)だ。直球のように飛んできては、打者がバットを振る頃に鋭く地面に向かって落ちる球種だ。平均的にリベラが投げるボールの10球中9球はカッターで、残り1球が直球だった。打者たちは、当然カッターで来ることを分かっていても手が出なかった。

リベラの決定球がカッター一つなら、日本プロ野球阪神のユニフォームを着ることが決まった「閉め大将」呉昇桓(オ・スンファン、31)には二つの必殺技がある。少なくない専門家は「フォークボールのように落ちる球がないから、技術レベルの高い打者が多い日本野球で苦戦する可能性もある」と指摘しているが、呉昇桓は「わが道を行く」を宣言した。韓国でのように、直球とスライダーの二つがあれば十分だという。

5日、ソウル 松坡区蚕室洞(ソンパグ・チャムシルドン)の選手村病院で会った呉昇桓は、「状況に応じて一つや二つの変化球を織り交ぜることは考えられるが、二つの球種で勝負する自信がある」と話した。

●進化した「石直球」

呉昇桓のトレードマークは「石直球」だ。打者の目には、まるで石が飛んでくるように見えるということから付けられた異名だ。三星(サムスン)の戦力分析チームが今年測定した記録によると、球速も155キロまで出た。

石直球の秘訣は、飛びぬけた握力と独特の握り方にある。呉昇桓は、直球を投げるとき、並みの投手と違って手のひらに球を完全に密着させない。手のひらとボールの間に小さな隙を置く。また親指を曲げて下から支える。まるでナックルボールを投げるときのような握り方をする。こうして投げると、石が飛んでくるように見えるのは、ずば抜けた握力と手首の力があるからだ。三星関係者によると、数年前、呉昇桓が三星トレーニングセンター(STC)で握力を測定したところ、当時レスリング国家代表選手より高い数値が出たという。

このため、同じ150キロでも呉昇桓の直球は打者にはもっと威力的に映る。今年の韓国シリーズで呉昇桓と対した斗山(トゥサン)のホン・ソンフンは、「普段より軽めのバットで打席に入ってもバットスピードが全く球を追いつかなかった。直球だと分かっても三振を食らった」と話した。

ところが、今年の呉昇桓の直球は、例年より威力が増した。精巧な制球が加えられたからだ。数年前までは、真ん中だけを見て力強く球を投げた。失投に近い球にも打者のバットは空を切る。今年は狙った場所に球を投げることができるようになった。

呉昇桓は、「うちのチームの打者に、どのコースのボールにバットが出易いのかを聞いたら、目から近い方の球だと言っていた。それで高めのボールを良く投げたら、空振りが多かった。直球のコントロールにも安定感が増してきた」と話した。

●カッターに似たスライダー

呉昇桓のスライダーももう一段階進化した。以前はスライダーが130キロ台後半だったが、今年はたまに決め球で使うスライダー140キロ台後半まで速くなった。いくつかの球団では、このボールをカッターだと見ている。

呉昇桓は、「3年前、柳仲逸(リュ・ジュンイル)監督からスライダーのスピードをもう少し上げてみろと言われて、練習を重ねてきたが、今年から本格的に実戦で使い始めた。グリップはスライダーと同じだ。投げるとき力を調節してスピードと落ちる角度を変えている」と語った。スライダーを普通のスライダーとカッターの二つの球種と見ることもできるという意味だ。

また今シーズンには稀に落ちるボールの一種であるスプリット・フィンガード・ファーストボール(スプリッター)を投げたこともある。呉昇桓は、「決め球ではないが、スプリッターやカーブなども丹念に磨きをかけている。いつでも試合で使えるような水準ではない。相手打者に応じて変化を与えることもできる」と語った。