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中国人が韓国の運転免許教習所に詰め掛ける理由は…

中国人が韓国の運転免許教習所に詰め掛ける理由は…

Posted November. 28, 2013 05:49,   

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中国人留学生の朱凌子(22、女)さんは、中国人の友人らと7月に、韓国で運転免許を取った。免許取得にかかった3週間、運転免許教習所に行ったのはわずか5回。一回行くたびに2〜3時間ずつ、授業を受けた。その結果は、一発で合格。朱凌子氏は、「韓国で免許を取るのがより簡単で安く、周りの中国人友人のほとんどが、韓国で免許を取って帰っていく」と説明した。中国から来た交換留学生の朱迪(21、女)さんも、5月、韓国で免許を取得した。「韓国の運転免許試験は、中国より試験科目数が少なく、合格基準も低くて、一際簡単な気がする」と話す。

最近、韓国で運転免許を取得する中国人が増えている。昨年、韓国で新たに免許を取得した中国人は、計2万3242人。前年より57%伸びた数値であり、毎年増加傾向を見せている。彼らを対象に、営業を手がけている運転免許教習所も多い。取材チームが13日訪れたソウル九老区(クログ)のA教習所は、建物のいたるところに、韓国語と中国語が併記された案内文が張ってあった。京畿道南楊州市(キョンギド・ナムヤンジュシ)のB教習所は、最初から中国語の教材まで備えていた。B教習所の関係者は、「最近、中国人の受講生が多く増えており、1クラスの約10%ぐらいはいるような気がする」と語った。

中国の免許取得試験は、4段階からなっており、段階別に90点を超えなければ合格できない。道路走行試験と筆記試験(1種基準)の合格基準点数が70点の韓国より、高いレベルだ。免許取得のための義務教育時間も79時間(小型車基準)で、全ての段階を一発でパスしても、少なくとも3ヶ月間はかかる。韓国は11年6月、運転免許の簡素化が実施された後、現在、13時間の義務教育だけを受ければ、免許取得が可能だ。韓国免許を取得した中国人は、自国に戻り、筆記試験だけ受かれば、中国の免許が直ちに発給される。そのため、簡単で早く免許を取れる方法として、韓国の免許が人気を集めている。

交通先進国はもとより、中国まで、運転免許試験の取得要件を強化している中、とりわけ、わが韓国だけが逆に緩和している。それにより、未熟なドライバーを量産し、交通安全を脅かしているという指摘が出ている。実際、運転免許の簡素化が始まってから1年間(11年6月10日〜12年6月9日)、初心ドライバー(取得年数1年未満)が起こした交通事故の件数は、その前の1年間(10年6月10日〜11年6月9日)より23%伸びた。

免許を取っても、実際運転ができず、道路研修を再び受ける事例も多い。昨年10月に免許を取ったが、一度も道路に出たことのない大学生の金ウンガンさん(22、女)は、「別途の道路研修を受けなければ、運転は難しいような気がする」と打ち明けた。さらに、「道路走行の試験を受けるとき、割り込みしようとして、事故を起こすところだった。落ちるかと思っていたが合格したので、かえって戸惑った」とし、「免許試験もずさんに行われているようだ」と懸念した。2月に韓国で免許を取った中国人留学生のワン某さん(23、女)も、「たまに運転をするが、いまだ、道路に出るのが怖い」とし、「十分な教育を受けていたなら、それほど難しくはないと思うが、道路走行教育が6時間とは、短すぎる」と指摘した。

専門家は、より根本的な対策が必要だと指摘している。簡素化前のように、技能試験を複雑にする代わりに、実際の運転に役立つ道路走行試験を強化すべきだという。先進国では、多様な道路走行状況を想定した運転免許試験を行っている。ドイツは、道路走行に、市外道路と高速道路の走行コースも含まれている。△1時間当たり、少なくとも車が100台以上走る道路での走行、△公共交通のバス停通過、△カーブや見晴らしの難しいところでの走行など、評価課題も細かく分けた。道路交通公団のミョン・ミョヒ先任研究員は、「夜間運転や高速道路での運転など、危険な運転状況に関する教育を強化し、多様な状況での運転能力を評価するなど、実質的に運転に役立つ方向に、試験を強化すべきだ」と主張した。