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[オピニオン]バク・ウンソンの人権

Posted November. 08, 2013 03:26,   

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南アフリカの黒人女性・キャスター・セメンヤ(22)は、09年8月、ベルリン世界陸上選手権800メートルの競技で、金メダルを獲得した。優勝の喜びもつかの間、彼女の筋肉質的体型や圧倒的な技量のため、反発をまねいた。国際陸上界の一部から、「男ではないか」という疑惑が持ち上がったのだ。結局、国際陸上競技連盟は、性別検査を決め、その翌年、調査の結果を公開しないまま、「女性種目に出場できる」と発表した。

◆「うちの子は、確かに娘なのに、息子だと決め付けるなんて。もし、自分の子供にあんなことをするやつがいたら、銃でぶっ飛ばすぞ!」。当時、南アフリカの体育会長は、国際陸上連盟の会議場を蹴飛ばして出て行きながら、このように叫んだ。南アフリカの国民も、「『うちの娘』を守るためには戦争も辞さない」と沸きあがった。白人らが、自己中心的基準で、女性性を定義したことによる人種差別であり、選手の尊厳性を傷つけた行動だという共感が広まった。

◆最近、女子サッカー選手・バク・ウンソン氏(27)を巡り、性議論が起きている。彼女が所属しているソウル市庁チームを除く韓国女子サッカー連盟所属の6つの球団の監督らが問題を提起したためだ。2010年、中国代表チームの監督が、バク選手の性別について問題にしたが、今回は国内のサッカー関係者らが、自国のスター選手を踏みにじったことになる。身長180センチに体重74キロ、頑丈な体つきや強靭な精神力を持っている彼女に、あえて罪があるとしたら、それは今シーズンの得点王を獲得するなど、目覚しい活躍を繰り広げたことだ。ネット上では、監督らの行動について、「人権侮辱だ」という世論が沸き起こっている。

◆このような議論を目にし、女性の能力が過度に優れていれば、「非女性的」だと、集団いじめを受けやすいという事実を痛感する。ワールドカップやオリンピックの時、性別検査を受けて出場したバク選手は、自分のフェイスブックに、「私を知らない方々でもなく、笑みを浮かべて挨拶し、気にかけてくださった方々が、このような形で私を踏みにじろうとしていることのほうが、最も心が痛い」という文を残した。しかし、彼女は素敵だった!「しっかり見守りなさい。ここでは絶対崩れない。これ以上挫けない。見守ってほしい」と誓った。バク選手を応援するためにも、来年はサッカー競技場に出向くつもりだ。

高美錫(コ・ミソク)論説委員 mskoh119@donga.com