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なぜ妊婦と70歳代の老母まで、天安門前突入事件で中国側説明に疑問の声

なぜ妊婦と70歳代の老母まで、天安門前突入事件で中国側説明に疑問の声

Posted November. 05, 2013 03:14,   

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先月28日、中国北京の天安門前で発生した自動車自殺テロの際、車の中で死んだ一家3人のうち1人は若い妊婦だったという。今回の事件が新疆ウイグル自治区の独立のために計画されたテロだという中国当局の発表だけでテロの背景を説明するのは無理があるとして疑問を呈する声が上っている。

4日付の香港明報によると、事件当時、スポーツユーティリティ・ビークル(SUV)を運転して歩道に向かって突入していたウスマン・アイサンの妻は妊娠6ヵ月だった。また同乗していたウスマンの母親は70歳を超えた高齢だったという。彼らは、車が天安門前の金水橋にぶつかるとき、事前用意したガソリンに火をつけ、全員が現場で死亡した。

公安司法部門を統括する共産党中央政法委員会の孟建柱書記は先月31日に、同事件がウイグル族独立運動団体「東トルキスタン・イスラム運動(ETIM)」による犯行だと明らかにした。そのため、今回の事件は、中国の平和と安全を脅かす怪しいテロ集団との対決だと決め付けた。

しかし、自治区独立のために一家揃いで自殺テロを行うというのは釈然としないと疑問を呈する声が事件発生時から上っていた。しかも妊婦に70歳代の老母まで巻き込んでいて、中国当局の過酷な少数民族統治が事件の発端だとする主張に注目が集まっている。

ウイグル族で中国民族大学のイリハム・トゥホ教授は最近、ドイツのラジオ放送局ドイチェ・ヴぇレ(DW)のインタビューで「車の運転手が自殺テロに妻と母親を同行させる理由があるのか。個人的な鬱憤を訴えるための集団焼身と解釈するべきだ」と主張した。米国のCNNは先月31日、今回の事件がテロというよりは個人の「絶望的な叫び」だと解釈した。

これに関連して明報は、消息筋の話として、車に乗っていた3人の直系家族が、最近新疆で警察の銃に撃たれて死亡した事件と関係があると報じた。6月26日、吐魯蕃市朷善県魯克沁鎮でウイグル族11人が殺害され、4月23日には喀什市巴楚県色力布亜鎮では6人が警察の銃撃で死亡した。

中国は、「車両テロ事件」後、取締りを強化し、大々的な鎮圧に乗り出した。次期指導部の一人に挙げられていた張春賢新疆党書記は先月29日に招集された政治局会議で、「憂患を小さい芽のうちに切り取ることができなかった」として、政治局常務委員らから激しく批判されたという。また新疆軍区司令官の彭勇中将を党委員会常務委員から解任した。党執行部は、新疆自治区に対する政策があまりにも融和的過ぎるため、中国心臓部まで脅かされていると認識していると、明報は伝えた。

新疆と北京では、今回の事件発生後、すでに50人余りが逮捕されたという。またイリハム・トゥハ教授は、最近家族連れで車に乗って家を出るところ、北京ナンバー(京EP4346)の車にぶつけられた後、妻の携帯電話を奪い取られたが、メディアの取材に応じるないようにと脅された。