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「正義が消えれば希望も消える」 カンタベリー大主教ウェルビー師が来韓

「正義が消えれば希望も消える」 カンタベリー大主教ウェルビー師が来韓

Posted November. 02, 2013 03:33,   

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「世界の指導者に対する米国家安全保障局(NSA)の盗聴が国際的な問題になっている。もしNSAが大主教の携帯電話を盗聴していたならどうするか」

「盗聴しても(あちらに役立つほどの)残すべきことはないだろう。本当に退屈な内容だけだろう」(笑)

1日、釜山(プサン)ベクスコの世界教会協議会(WCC)大会場で開かれた英国聖公会・カンタベリー大主教、ジャスティン・ウェルビー師(57)との懇談会で、同師が盗聴についての質問に答えると笑いが起きた。高位聖職者としては珍しくビジネスマン出身のウェルビー師は、明快な返事と時に適切なユーモアを混ぜながら人々をひきつけた。世界165ヵ国に約1億人の信者がいる世界の聖公会の首長であるカンタベリー大主教の訪韓は、1990年、当時第102代大主教・ロバート・ランシー師以来23年ぶり。

ウェルビー師は2日、韓国教会の代表らと「臨津閣(イムジンガク)平和巡礼プログラム」に参加し、韓半島の分断状況に大きな関心を示した。「韓国訪問も、(DMZに近い)臨津閣を訪れるのも初めてだ。まだ韓国と北朝鮮の状況についてよく知らないが、韓半島の和解と一致に貢献するために役立ちたい。しかし今は初めての訪問なので、聞く姿勢で、訪ねて行く姿勢で多くの人の知恵を求める」。

3月、第105代カンタベリー大主教になったウェルビー師は、ケンブリッジ大学で法学と歴史学を専攻した後、20代半ばで石油会社と油田探査会社で財務を担当する重役となり、将来が有望なビジネスマンだった。1983年にフランスで生後7ヵ月の娘を交通事故で亡くしたことで深い悲しみに苦しみ、聖公会の神父になった。

ウェルビー師は福音主義指向で、聖書に対する伝統的、保守的な解釈を好み、同性結婚の合法化には反対し、女性主教に対しては賛成する立場で知られている。企業で働いた経験をいかし、企業の社会的責任も強調してきた。

同日の懇談会では、聖公会内でも進歩的な欧州と保守的なアフリカ地域の対立と最近の聖公会内の変化の風に関する言及もあった。「違いがあるこれらのグループをどのように一つにまとめることができるか悩んでいる。一致は神が与える贈り物であり、人間が成し遂げることができるものではない。しかし、その業績が実現するよう私たちは努力し、祈らなければならない。スウェーデンや米国聖公会で女性大主教が誕生したことを開かれた心で歓迎する」。

ウェルビー師は同日午前に開かれたアジア全体会議の演説で、「正義が消えれば希望も消える。キリスト教徒たちは本能的に苦難を経験している人々を愛する。フランシスコ法王が言ったように、貧しい人のための貧しい教会にならなければならない」と強調した。