Go to contents

ソフトウェア革命で遅れた韓国

Posted November. 01, 2013 04:05,   

한국어

オンラインゲーム「風の国」などをヒットさせて2兆ウォンの資産家になったネクソン創業者の金正宙(キム・ジョンジュ)氏はソウル大学コンピュータ工学科出身だ。なぜオンラインゲーム事業を始めたのかという質問に、「韓国のソフトウェア(SW)市場で生き残れる分野がゲームしかなかったためだ」と答えた。無所属の安哲秀(アン・チョルス)議員が、「安保は保守、経済は進歩」と考えるのは、アンラボを創業し経営していた時、大企業から価格引下げ要求や技術の横取りに遭った経験からだという。SW事業で成功した2人の経験は、逆説的に韓国でこの事業がどれほど難しいかを物語る。

高健(コ・ゴン)元ソウル大学コンピュータ工学部教授が30日、未来創造科学部の講演で、「SWが世界を侵食しているが、韓国だけが後ろ手を組んでいる」と指摘した。そして、「ソウル大学コンピュータ工学部の卒業生10人に9人が専攻をやめて別の道に進む。学部の教授30人のうち半数は大学院生を確保できない。政府がSW政策を20年以上放置した結果だ」と主張した。

世界は今SW革命にある。マイクロソフト(MS)がノキアなどのハードウェア・メーカーを買収し、グーグルが無人自動車やウェアラブル・コンピュータを作る。スマートテレビ、スマートフォンといった電子機器だけでなく、航空機、自動車、船舶、戦闘機などすべての先端機器の核心はハードウェアを「賢く」するSWだ。今や「自動車はガソリンではなくSWで走る」と言われるほどだ。しかし韓国は、造船産業で世界第1位だが、主なSWの90%以上を輸入し、自動車も内蔵SWの99%を外国産に依存する。SWの競争力が劣り、製造業の競争力でも世界に後れを取りそうだ。

産業の現場には良い人材がなく悲鳴を上げているが、若者がSW側を避けるのは、十分な待遇を受けられないためだ。50億ウォンのプログラムを発注すれば、請負、再請負と開発業者の手に入るのは10分の1しかない。外国企業にはプログラム購入後も毎年20%の維持・補修費を支払い、韓国企業には一銭も払わない。パーソナル・コンピュータ(PC)のウィンドウは購入し、韓国企業が開発したプログラムは不法コピーを当然と考える。これだからMSのビル・ゲイツは金持ちになるが、韓国には世界的なソフトウェア企業が1社もないのだ。

未来創造科学部は2017年までに10万人のSW人材を養成し、小・中・高校で100万人のSW専門家を夢見る生徒を育成する計画を明らかにした。SWの価値を認めない国では政府がいくら良い人材育成計画を立てても成功は難しい。