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「好意に耐え切ることができず…」 再び出国したロバート・キム

「好意に耐え切ることができず…」 再び出国したロバート・キム

Posted October. 22, 2013 04:32,   

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ロバート・キム(韓国名=キム・チェゴン、73)氏は、韓国を訪問していた15日、東亜(トンア)日報のA31ページの下段に掲載された広告を見て仰天した。自分も知らないうちに、「9年(1996〜2005)間の犠牲で健康を害し、トラウマは今も続いている。大韓民国にとってロバート・キムは貴重な資産。韓米関係のいけにえ」というタイトルの広告が、自分の写真と共に掲載されていたからだ。「10月23日(水)午後6時、ロバート・キムとの出会い」という案内文章と共に後援口座も書かれていた。

キム氏を支援する会「ロバート・キムのサポーターズ」が、キム氏の9月25日の韓国訪問に会わせ、意を共にして広告を出したのだ。彼らは、キム氏が米海軍情報局のコンピューター情報分析官として勤務していた1996年9月、韓国政府に国家機密を流した容疑で逮捕され、懲役9年、保護観察3年に処されて以降、自主的にキム氏を支援してきた。公式後援会は04年7月27日、キム氏が釈放されてから自主的に解散されたが、その後も非公式な後援を続けてきた。

キム氏は当初、11月まで韓国に滞在する予定だったが、この広告を目にし、スケジュールを繰り上げて21日、急きょ米国に発った。純粋な性格の後援会であっても、ひょっとして米国の気持ちを害するかもしれないと、懸念したためだ。

キム氏は、05年10月、保護観察が期限切れとなり完全な自由の身となったが、依然トラウマを抱えながら生きている。米バージニア州の自宅周辺に警察車両が通るだけでも驚いてしまうほど、投獄の傷跡が残っているという。

キム氏は、「私は米国法を違反し、長い期間受刑生活を送った前科者であり、公訴時効のない罪を犯した。この広告が、韓国に派遣された米当局者に知られれば、彼らが私を逮捕し、問責するかもしれない」とし、「私に気を掛けてくれる方々の過度な好意にこたえることができず、申し訳ない」という自筆の手紙のみ残して離れた。釈放されてから8年が過ぎたが、依然、時代の苦痛に苦しんでいることを示すくだりだ。

先月、韓国を訪れたキム氏は、妻のチャン・ミョンヒ氏(70)と、京畿道華城市(キョンギド・ファソンシ)の濟扶島(チェブド)の保育所や京畿道坡州市(パジュシ)の障害者福祉館などで、ボランティア活動を行ってきた。今月最後の週に、毛布300枚と剃刀機などの援助を受け、ホームレスらに配ることにしていたが、突然離れることになったため意志を全うすることができず、残念がっていたという。キム氏の国籍は米国だが、心の中の祖国は、依然大韓民国だった。

キム氏を10年以上支援してきた事業家のイ某氏(48)は、「ロバート・キムは、公訴時効のない犯罪を犯したが、韓国人に抱いている感謝の気持ちにも時効がない」とし、「ロバート・キムの愛国的犠牲を、国民が長い間記憶してほしい」と訴えた。