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脱北者管理の深刻な不行届き

Posted October. 15, 2013 03:35,   

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北朝鮮を脱出して韓国へ亡命した脱北者2万5560人のうち796人の行方が分かっていないことが明らかになった。行方不明になった脱北者のうち689人は第三国に滞在しているものと把握され、再び北朝鮮へ帰った人や拘置所に収監されている人もいた。経済的な困難と韓国での生活に適応できず自殺した人も26人いた。脱北者管理に少なくない不行届きがあることを示している。

ここ5年間、韓国人の難民申請を受けた国が韓国政府に指紋の確認を要請した155件のうち、126件(81・3%)は韓国に定着した脱北者だった。韓国で暮らそうとせず、第三国への移住手段として難民制度を利用しているのかもしれない。国内に定着していた脱北者51人は海外移民の道を選んだ。

脱北者も居住移転の自由があるため、国内に定着していた脱北者の第三国への移住を、無条件阻止するわけにはいかない。だが、第三国に比べて手厚い支援金をもらって、その資金で第三国に渡るようなやり方は困る。現在、政府は定着金、住居支援金、職業訓練費、社会福祉費用、教育支援費などの名目で、脱北者1人当たり最低2000万ウォンから最大で4800万ウォンまで支給している。4人家族がみんな真面目に職業訓練を受け、社会福祉の恩恵を受ける場合、1億ウォンを超える資金がもらえる。

難民認定を受けるため、韓国社会が脱北者を政治的に迫害しており、深刻な社会的偏見で差別している、という風に海外で誇張している脱北者が、ずいぶんいる模様だ。偽装亡命を斡旋するブローカー組織も猛威を振るっている。脱北者の受け入れに積極的だった英国が、最近、韓国政府に対して「偽装亡命者を連れて帰って欲しい」と要求した。カナダが韓国を「特別関心国家」に指定し、亡命審査を強化したのも脱北者と関連した副作用だ。

2003年以降10年間、検挙された北朝鮮スパイ49人のうち21人(42.9%)が脱北者に偽装して国内に潜入したケースだったことも衝撃的だ。彼らは、韓国で脱北者たちの動向を監視し、脱北者らを拉致して北朝鮮に連れて帰る任務を遂行していたことが明るみに出た。脱北者に成りすました北朝鮮スパイが増えるほど、純粋な脱北者たちは、さらに困難に陥る。脱北者のスパイは、国内の要人や北朝鮮体制を批判する関係者らの拉致やテロ任務に利用される可能性も高い。

脱北者が韓国で根を下ろしてこそ、将来、韓半島が統一したとき、南北社会の架け橋の役割を担うことができる。2万5000人余りの脱北者を抱き込む「小さな統一」さえ実現できずに、7500万の韓民族が一つになるのを期待するのは無理だ。