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女性大統領と元慰安婦女性

Posted August. 17, 2013 03:43,   

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8・15光復節の記念式に出席した朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は白いジャケット姿だった。前日、ソウルの駐韓日本大使館の前で開かれた「日本軍慰安婦問題解決に向けた水曜集会」に参加した元慰安婦女性キム・ボクトンさんも白いカラムシの服を着ていた。

同じ色の服を着た2人は以心伝心で通じたのだろうか。キムさんは集会で、慰安婦に対する謝罪と賠償を拒否する日本を非難し、「朴正熙(パク・チョンヒ)大統領は解決できなかったが、娘の朴大統領は同じ女性として慰安婦問題を解決してほしい」と訴えた。朴大統領は光復節の式辞で日本政府に対して、「歴史による苦痛と傷を今でも抱いて暮らしている方々に対して、痛みを癒す責任と誠意ある措置を期待する」と述べた。光復節記念式と水曜集会を現場で見た筆者に、朴大統領の日本に対する発言は、キムさんの呼び掛けに対する肯定的な回答に聞こえた。

キムさんは、日本の慰安婦蛮行を告発して糾弾する国内外の行事に必ず参加する。先月30日、米カリフォルニア州グレンデール市で開かれた「平和の少女像」除幕式にも参加した。キムさんは2000人以上の水曜集会参加者の前で、「日本が降参しなければ東京に少女像を建てる」と述べた。

朴大統領は、光復節を韓国と日本が真の協力パートナーに発展するための原則を提示する機会に活用した。一言一言力を込めて式辞を読み上げた。日本に対する内容では、戦争責任の否定と歴史の妄言を見過ごすことはできないという毅然さがにじみ出た。北朝鮮に明確な原則を提示して交渉合意を引き出した開城工団問題と比べることができる。

北朝鮮は、韓国に通用しない「最高尊厳」を持ち出して開城工団の稼動を停止した。韓国労働者の立ち入りを阻止し、北朝鮮労働者を撤収させたことは、いくら弁解をしても消すことのできない失策だ。北朝鮮は惰性に慣れ、脅迫と対話カードを交替に出して韓国を揺さぶろうとしたが、朴槿恵政府は動じなかった。朴大統領の光復節式辞の言葉どおり、「南北関係の誤った慣行を正すために『稼動停止再発防止と国際化を要求して貫徹した。北朝鮮のやり方を見抜いた韓国国民も政府の決然たる態度を支持した。

日本の行為も北朝鮮と大差ない。日本の戦争責任の否定は、文明社会では容認されない妄言だ。平和憲法改正の試みと集団的自衛権行使の発想の背後に隠れた「再び戦争ができる国になる」という思惑を見抜けない文明国家の市民はいない。ドイツのホルスト・ケーラー前大統領は、2010年、「貿易依存度が高いドイツの利益を保護するには、緊急時の自由貿易ルートを守るための軍事介入が必要だ」という発言が「砲艦外交」論議に拡散し、責任を負って辞任した。日本が戦争責任を否定して平和憲法から脱しようとすればするほど、国家的レベルの相違だけが露になる。

反人道行為を容認する時代は過ぎた。古屋圭司拉致問題相の靖国神社参拝で、日本の人道のダブルスタンダードが明らかになった。拉致問題相は北朝鮮に拉致された日本人被害者問題を担当する閣僚だ。日本は、北朝鮮の拉致行為を人道の次元で容認できないとして解決を求めている。北朝鮮の反倫理行為には執拗に食い下がり、韓国に対する反倫理犯罪には背を向ける日本に世界の中で居場所はない。

朴大統領は、北朝鮮に対したように日本にも粘り強く決然としなければならない。水曜集会が始まった14日正午、ソウルの気温は32℃まで上がった。今年88才のキムさんが来年の光復節の前日に溶鉱炉のようなアスファルトの上で再び大統領に訴える場面は見たくない。