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[オピニオン]韓国まれのミュージカル「ご飯を炊く詩人、盛る愛」

[オピニオン]韓国まれのミュージカル「ご飯を炊く詩人、盛る愛」

Posted August. 06, 2013 08:14,   

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最近、公演ではミュージカルが主流だという。巨額のロイヤルティーを支払う外国作品のほか、韓国国内演劇関係者らが制作する新作ミュージカルが、毎年約120本も舞台に上がっている。最近人気の国内映画産業に比べても、韓国ミュージカルの生産力は引けを取らない。昨年公開された新作韓国映画は、175本だった。日本は、ミュージカル市場規模は韓国の2倍以上だが、その大半が外国作品で埋められている。世界のどの国よりも驚くべき創作熱気が「ミュージカル韓流」の夢を膨らませているのだ。

◆先週、ソウル市ミュージカル団(柳寅澤団長)のミュージカル「ご飯を炊く詩人、盛る愛」を観覧した。崔一道(チェ・イルド)牧師と妻の金ヨンス氏とのラブストーリーと共に、この夫婦の鋻凉里(チョンリャンリ)駅前での無料給食活動を扱った作品だ。作り話ではなく、生きている人の実話をアピールする力は優れている。カン・ピルソクやカン・ソンヨンなどの出演役者らの歌唱力も一際目立っている。韓国ミュージカルが海外で認められるためには、何よりも歌のうまい役者を大勢確保しなければならない。ミュージカルが人気を集め、商業性が確認されたことを受け、人材がミュージカルに集まる好循環も起きている。

◆同ミュージカルの制作陣が、3000席を超える世宗(セジョン)文化会館・大劇場を公演会場に選んだことから、相当の期待を持って、海外進出まで念頭に入れているような気がする。気楽に運営できるソウル市傘下公演団体の限界から脱しようとする努力や試みは、評価に値する。しかし、舞台装置や一部のシーンは、ほかの輸入ミュージカルですでに見たもののような気がする。ストーリーの構成面でも、崔一道夫婦の感動的な人生を十分伝えていないような気もする。

◆ミュージカル「オペラ座の怪人」は、1986年初公演後、これまで計56億ドルの売上げを計上した。長期公演を通じて、持続的に収入を上げることで、映画やテレビドラマ、大衆歌謡など、ほかのジャンルを圧倒する経済的効果を誇っている。ミュージカルは高級文化商品だという認識も広まっている。しかし、創作ミュージカルの道は険しい。多くの観客の記憶の中にすでに入力されている過去の成功作を乗り越える魅力を与えなければならない。ほかの芸術も同じだろうが、ミュージカルは絶え間ない補足や見直しを経て完成される。ミュージカル「ご飯を炊く詩人、盛る愛」も、同様の過程を経て、ソウル市の代表的ミュージカルに位置づけられるだろう。

洪賛植(ホン・チャンシク)首席論説委員 chansik@donga.com