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ライバル店の知名度に便乗、業界で新経営戦略が流行

ライバル店の知名度に便乗、業界で新経営戦略が流行

Posted August. 05, 2013 07:38,   

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最近、ソウル江南区大峙洞(カンナムグ・デチドン)にオープンした伝統茶ブランド「チャオルム」大峙本店には正午になると、チャオルム本社の職員らが出てきて、午後1時までの1時間、この店舗を訪れる客数を細かくカウントしている。これと同時に、隣のスターバックス・ポスコ店への来店客数も一緒に集計している。

チャオルムを経営しているチャオルムエフアンドビは最近、出店戦略の一つとして、スターバックス店舗の近くに伝統茶の売場を出す計画を採用している。コーヒーを飲みにスターバックスを訪れる客らに、自社ブランドをPRするのが有効だ判断したからだ。

大峙本店は、このような戦略を立てた後、初めてオープンした店だ、その規模も155平方メートル(約47坪)と、すぐ隣のスターバックスの売場(105平方メートル=約31坪)より大きく取るなど、緻密な計画を通じて攻撃的マーケティングを繰り広げている。

起業から2年しか経っていない伝統茶ブランドが、世界的コーヒー店ブランドをライバル相手として考える理由は、果たしてなんだろうか。チャオルムエフアンドビのキム・ジェフン経営企画チーム長は、「業界を代表するスターバックスと肩を並べることになれば、認知度や存在感がそれだけ上がることになるからだ」と話した。チャオルムのメニュー90件のうち、コーヒーを利用したメニューは、わずか10件だが、全体売上げの30%以上を占めているのも、「スターバックスの隣」戦略を打ち出した理由の一つだ。

このように、外食やファッションなど、流通・飲食料業界の新生メーカー各社が、同種業界の有名ブランド店のすぐ隣に次々と店をオープンしている。同じ業種では「兄貴」とも言えるメーカーの隣で、競争を繰り広げ、「弟」としての認知度を高めるやりかただ。経営専門家らは、このような「便乗戦略」を、背中におんぶされるという意味から「ピギーバッキング(Piggybacking)、または「隣家戦略」と呼んでいる。

国内ファッションメーカー各社も、海外ブランドの隣に出店する事例が少なくない。金剛(クムガン)製靴の靴の編集売場「レスモア」は、日本の靴編集ショップ「ABCマート」のソウル中区明洞(チュング・ミョンドン)店の隣に店舗を出すため、建物2件を購入した。ABCマートは、年間売上げが3700億ウォンと、国内靴編集店舗業界ではトップだ。レスモアは、1350億ウォンと2位だ。レスモアのナム・ドンヒョン事業チーム長は、「トップ企業に追いつくために、より大きな規模で、すぐ隣に出店し、客を奪うという戦略だ」と主張した。

昨年、同様に明洞でスペインの製造流通一括型(SPA)ブランド「ザラ」の隣に、「エイトセカンズ」売場を出した第一(チェイル)毛織は、ザラに比べても売上げ上引けを取らないと、15年、中国進出の目標を1年繰り上げた。第一毛織の関係者は、「中国進出の際、ザラやH&Mなど、海外SPAブランド売場の隣に店舗を出し、真っ向から勝負する」と語った。

隣家戦略は、後発走者が市場に参入する時、低コストで割合短時間で認知度を高めることができるというメリットがある、というのが専門家らの主張だ。有名ブランド店の客を共有することができ、隣の店舗を訪れた客らの口コミで新たな客が訪れる「集客効果」も期待できる。また、大手ブランドが持っている前向きなイメージをそのまま享受できる「オーラ効果」も期待できる。