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人間の12倍の力…早い投球や場外本塁打も可能

人間の12倍の力…早い投球や場外本塁打も可能

Posted July. 26, 2013 03:11,   

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●大きな体つきや走りの実力…身体条件は完璧

ゴリラは霊長類の中でも、最も体が大きな生き物として知られているが、肩や腰を丸くかがめているゴリラの平均的骨格の高さは、雄を基準に170センチほど。特に、背骨から下半身が曲がっているゴリラは、群れの中のトップである「シルバーバック」であり、骨格の高さは180センチ、体重は230キロにも上る。野球選手らの身長が180センチ前後であることを考慮すれば、ゴリラの体は、野球に適している。

最近、野球が「走る野球」に変わっているだけに、走りの能力も重要だ。走塁プレーに長けている1番打者らの場合、100メートルを12秒で走る。わが国のプロ野球選手の中で最も遅いといわれているイ・デホの100メートル走の記録も、15秒ほどだ。ゴリラが野球をするためには、少なくともイ・デホに負けないほど、走らなければならない。ゴリラは両手や両足を利用して、時速40キロで走る。100メートル走を11秒で走りきる能力があるので、盗塁走者としての可能性も十分ある。

●長距離打者と強速球投手に適したゴリラ

類人猿の上体の筋力に関する複数の研究をみれば、人間に比べチンパンジーは4〜7倍、オランウータンは5〜8倍も強く、ゴリラはなんと12倍も強い。またゴリラは、「長い」腕を持っている。ゴリラの腕や足の長さの割合を測れば115であり、木の上で生活するオランウータン(手足の比率は140)の次に長い。人間の手足の比率は80に過ぎない。腕が長いほど、力が加わる時間が長くなり、大きな力がかかる。ゴリラは、長距離打者としてもよい体型を持っているという意味だ。

投手としてはどうだろうか。上体の筋力がよいだけに、強速球投手に遜色がない。人間が野球ボールを投げる時にかかる力は、約1.5馬力(1馬力は約0.75kW)だが、力が12倍も強いゴリラは、その分だけ、強い力で早いボールを投げることができる。

しかし、ゴリラ投手の弱点は、ほかならぬ「指」。ゴリラは、重い体を支えながら、大地を気軽に歩くことができるよう、指が短く、手のひらが広い。打者の目の前で、横に曲がったり、いきなりぐんと落ちる変化球を投げるためには、指でボールを包み込み、1分当たり1500回以上の回転をつけなければならない。ところが、ゴリラの短い指は、変化球を投げるには、力不足だ。早い直球で勝負する投手にならざるを得ない。

●監督の作戦を読めるだろうか?

今月5日、ネクセンとLGとのプロ野球試合では、なかなか目にできない場面が繰り広げられた。満塁の状態で、全ての走者が同時に盗塁をする三重盗塁が行われたのだ。このような奇抜な作戦のため、ネクセンは、勝利を獲得した。このように、作戦を実施するためには、予め決められた信号を理解することが欠かせない。1972年に生まれた雌のゴリラ「ココ」の事例は、監督の胸のうちを読み、作戦を遂行することも可能なことを示している。

ココは、米カリフォルニア・ゴリラ財団のペニー・パターソン博士から2000個あまりの手話を学んだ後、「歯が痛い」など、自分の意思を表現することができた。また、「鳥を見ろ」というパターソン博士の手話に、「鳥」という言葉を表現し、表情で疑問を表し、会話ができることを示したこともある。

ココだけでなく、ゴリラはさまざまな方法で、コミュニケーションを図っている。姿勢や表情を利用し、音で意思をはっきりと伝え、相手の感情を読むこともある。野球のルールはよく分からなくても、十分訓練を行えば、ダッグアウトから送るシグナルで、野球試合を行うことができるという意味だ。

科学東亜(トンア)8月号は、野球をするゴリラの生態学的特徴について分析した最強本塁打王「ミスターゴ」のほか、さまざまなウイルスの正体と人類とのかかわりを扱った特殊記事「ウイルスの人間飼育」、ウォーターパークの物理学など、興味深い科学話題を扱っている。