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米TV局、機長の名を人種差別的読み方で報道し波紋 アシアナ機着陸失敗事故

米TV局、機長の名を人種差別的読み方で報道し波紋 アシアナ機着陸失敗事故

Posted July. 15, 2013 03:38,   

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保守性向の放送で有名なケーブルチャンネル「フォックスネットワーク」、米中西部の有力日刊紙・シカゴサンタイムズなどの主要メディアが、アシアナ航空機の衝突事故と関連し、次々と人種差別的な報道をし、波紋が広がっている。特に、事故原因を操縦士のミスに追い込んでいるという批判を受けている米連邦交通安全委員会(NTSB)が、フォックスのほうに、事故機操縦士らの名前を、アジア系を侮辱する偽の名前で、間違って確認することが明らかになり、アジア系米国人らの憤りを買っている。

フォックスの子会社であり、事故が起きたサンフランシスコの地元放送であるKTVUのトリー・キャンベル・アンカーは、12日の正午ニュースで、「NTSBから、事故機の操縦士らの名前を先ほど確認した」とし、「4人の名前は、ソムティングウォン(Sum Ting Wong)やウィトゥロ (Wi Tu Lo)、ホーリーファック (Ho Lee Fuk)、バングディングオウ (Bang Ding Ow)だ」と語った。それぞれ、「なんか、間違っている(something wrong)」、「我々は、過度に低く飛んでいる(we’re too low)」、「こんな、畜生 (hoky fuck)」、「ドカン、オ! (Bang Ding Ow=事故当時の衝突音と悲鳴を指す擬声語)」という表現を、英語に慣れていないアジア系人のアクセントに合わせて表現したのだ。事故機や犠牲者らが、アジア国籍であることを皮肉るのはもとより、事故そのものを笑いものにしたという批判を受けている。

この荒唐無稽なニュースは、その直後、ネット上を通じて急速に広まり、在米韓国人をはじめ、多くの米国人も、明白な人種差別であり、悲劇的事故への侮辱だと、憤りをあらわにした。アジア系のジャーナリストの連合体「米国アジア系記者協会(AAJA)」は、「言葉では言い表せないほどの激しい憤りを感じている」と明らかにした。アシアナ航空も同様に14日、「KTVUの報道によって、事故航空機の操縦士やアシアナの名誉が激しく傷ついた」とし、「間違った名前を確認してくれたNTSBと、これを報じたKTVUを対象に、法的対応について検討している」と明らかにした。

アシアナ機の事故を巡る人種差別的報道についての議論は、今回が初めてではない。シカゴサンタイムズは、事故が起きた7日、新聞のヘッドラインのタイトルを、「フライト214(FRIGHT)214」と掲載し、アジア系をあざ笑ったと、激しい批判を受けた。「フライト(Flight=航空便)」の代わりに使った言葉、「フライト(Fright=恐怖)」は、アルファベット「L」と「R」とをなかなか区分できないアジア系米国人の発音を皮肉ったと、受け止められかねないからだ。

保守派寄り報道で有名なフォックスも同様に、人種差別の議論に頻繁に巻き込まれたことがある。フォックスの花形時事トークショー「オライリーファクター」の司会者であるビル・オライリーは、昨年12月、歌手・サイのヒット曲「江南(カンナム)スタイル」と関連し、「サイは、平壌(ピョンヤン)やソウルなどの出身で、小柄でデブだが、ただ単に上下に飛んでいるだけだ」と語り、物議をかもした。

波紋が広がると、NTSBとKTVUは後で、声明を出して謝罪したが、事故経緯や責任者をはっきりせず、その場限りの謝罪という批判が多い。特に、KTVUの報道は、事故が起きた7日以降、5日も過ぎた時点で出たものであり、一部からは、「ミスを装った故意」という見方が出ている。NTSBは、操縦士の名前に間違いがあったことは認めたが、インターンに責任を転嫁しながら、言い逃れた。NTSBの報道官は、「一人のインターンが自分の権限からはずれ、不正確で侮辱的な名前を、事実かのように知らせた」と、窮屈な言い訳をした。KTVUも、「ワシントンのNTSBの関係者が操縦士の名前を知らせたが、正確ではなかった」とし、「不正確な報道について謝罪する」と語った。