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アシアナ機事故原因、一方的な発表と予断を憂慮する

アシアナ機事故原因、一方的な発表と予断を憂慮する

Posted July. 10, 2013 07:26,   

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サンフランシスコ国際空港で着陸に失敗して事故を起こしたアシアナ航空機の衝突原因をめぐって、米国メディアの報道態度が常軌を逸している。ニューヨーク・タイムズやワシントンポスト、CNNなど、米国の主要メディアは、「経験のない機長」だとか、「サンフランシスコが初めての飛行」といった記事で、事故原因をパイロットの過失と断定する報道を続けている。韓米両国の合同調査が始まったばかりなのに、米国家運輸安全委員会(NTSB)の一方的な記者会見を根拠にそのような報道が続いているのは遺憾だ。韓国政府が米国に会見の自制を要請したのは当然だ。

映像を通じて、着陸時に速度が落ち、飛行高度が正常の高度よりも低かった事実が明らかになった。しかし、その原因はパイロットの失敗の他にも、管制の誤りや機体の欠陥など様々な要因があり得る。にもかかわらず米国メディアは、「調査当局は機体の欠陥による事故の可能性は排除している」とし、パイロットの失敗とだけ見なしている。事故機種のボーイング777型を製造したボーイング社やサンフランシスコ国際空港の誤りは最初からないといった「愛国主義的」報道傾向はメディアの責任性が問われる。

航空事故の原因究明は長い場合には数年かかるのが通例だ。1997年に乗客と乗務員225人が死亡した大韓航空グアム墜落事故のNTSBの調査は2年6ヵ月、1999年の大韓航空スタンステッド事故の時は3年7ヵ月かかった。事故の調査は、初動調査の後、現場調査、ブラックボックスの解読、運航、整備、機体などの分野別の詳細な調査、技術検討会議などを行なわなければならない。調査チームは、パイロットや乗客など生存者のインタビューを通じて正確な原因を突き止める。

正確な事故原因の究明は、犠牲者に対する補償と責任の所在を明らかにするために必要だが、さらに重要なことは、類似の事故の再発を防ぎ、航空をより安全にすることにある。大韓航空グアム墜落事故の場合、前方が識別できない悪天候と着陸装置の欠陥も問題だったが、機長と副機長の対話内容を分析した結果、部下が上司に異議を言えない権威主義的組織文化も事故に影響を与えたという分析が出た。その後、コンサルティングの専門家たちがパイロット間の円滑な意思疎通のために操縦室内の英語の使用を薦めたことは有名なエピソードだ。

今回のアシアナ航空機事故は空港内の事故なので、ブラックボックスも回収され、原因究明にはそれほど時間がかからないかもしれない。多くの航空事故を調査したNTSBの過去の調査が米国の国益に偏っていたという論議が起きたこともあった。今回はそのような誤解がないよう公正に調査を行なうことを期待する。自国の航空会社を無条件に擁護しようとする韓国社会の一部の愛国主義も望ましくない。今は両国があらゆる可能性を開いて、事故の収拾と正確な原因究明に向けて力を尽くす時だ。