米国で韓国戦争は「忘れられた戦争」だ。延べ１５０万人の米軍が参戦し、約３万６０００人が戦死しているのに、第２次世界大戦やベトナム戦争の影に隠れた「歴史の孤児」と呼ばれている。当時としては初めてその名を聞く国で厳しい寒さに耐えながら、蜂の大群のようにやってくる中国義勇軍に立ち向かわなければならなかった記憶を消したくなるのも理解できる。冗談交じりで、寒さが中国義勇軍より怖かったと振り返る参戦勇士は、韓国戦争を「最も寒かった冬」という別称で呼ぶ。
◆ワシントンの「韓国戦争参戦勇士記念館」が、ベトナム戦争記念館より１３年遅れた１９９５年に開館したのは偶然でない。長津湖（チャンジンホ）戦闘に参加した海兵隊将兵１９人をイメージした銅像で有名なこの場所は、韓国大統領の訪米の際の必須コースだ。オレゴン、ペンシルバニア、テキサス州にも記念館がある。バージニア州ノーフォークのマッカーサー将軍記念館の内部にある韓国戦争展示館には、００年に開戦５０周年を記念した韓米両国政府が制作した「自由はただで得られるものではない（Freedom Is Not Free） 」という文言が刻まれた旗がはためいている。
◆昨日、ワシントンのペンタゴン（国防省庁舎）で、韓国戦争の停戦協定締結６０周年を控えての韓国戦争展示館開館式が行われた。戦争動画と共に、当時使われた兵器や戦闘服などを展示し、戦況を伝える新聞記事や写真も展示されている。１０万人以上が訪れる「ペンタゴンツアー」コースにも含まれ、米国人はもちろん外国の観光客にも良い観光スポットになりそうだ。
◆北朝鮮の奇襲侵攻を封じ込めた「事実上の勝利」という点を強調するため、「忘れられた勝利（The Forgotten Victory）」を展示館の全体テーマにしたのが目を引く。北朝鮮は停戦協定を調印した７月２７日を「祖国解放戦争勝利記念日」と名づけて祝日に定めている。北朝鮮を支援するために参戦した中国では韓国戦争を「抗美援朝」戦争と言い、米帝国主義の侵略に立ち向かって北朝鮮を守り抜いた「正義の戦争」と主張している。韓国戦争は休戦中である。なので、現在進行形だ。
ハ・テウォン論説委員 triplets@donga.com
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