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[社説]韓国を締め出す米朝対話提案、非核化の真正性なし

[社説]韓国を締め出す米朝対話提案、非核化の真正性なし

Posted June. 17, 2013 04:41,   

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北朝鮮の米朝対話提案は真正性のない宣伝攻勢と言っていい。対話を提案しながらほとんどを米国への非難に割き、非核化が金日成(キム・イルソン)主席と金正日(キム・ジョンイル)総書記の遺言だとして核保有国を認めるよう迫る。韓米の協力と中国の態度変化に北朝鮮が行き場を失っている印象を与える。

北朝鮮は昨年12月の長距離ロケット発射と今年2月の3度目の核実験で緊張を高めたが、国際社会の強力な対応と制裁で窮地に追い込まれた。習近平国家主席時代を迎えた中国も以前とは違って北朝鮮の核放棄を強く求めている。北朝鮮は「挑発→対話→補償」パターンの再演を狙って対話を提案したが、米国がその手に乗る可能性は低い。首席代表の「格」にけちをつけ、南北当局会談を決裂させた後、今度は対話の相手を米国にかえて韓米の仲を引き裂こうという策略も見え透いている。

韓半島で侵略戦争を起こした挑発者が米国だという主張からして、北朝鮮の韓国侵略を否定する偽りだ。北朝鮮は、韓半島の非核化が金主席、金総書記の遺言だと主張したが、金総書記は生存に1、2回目の核実験を主導した。露骨に核武装を追求した金総書記を非核化の遺言統治者に掲げる北朝鮮の態度に真正性があると誰が信じるだろうか。3度目の核実験を指示し、憲法に核保有国と明記した張本人である金正恩(キム・ジョンウン)第1書記が非核化云々するのも厚かましい。

北朝鮮が米国と対話で問題を解決する考えがあるなら、米朝合意を破棄したことを反省しなければならない。北朝鮮は昨年、米国と核実験、長距離ロケット発射、ウラン濃縮活動を中止する代わりに24万トンの栄養補助食品の援助を受けるという内容の2・29合意を発表した。しかし、北朝鮮は2ヵ月も経たない4月13日に長距離ロケットを発射し、米朝合意を紙切れにした。いずれもオバマ米大統領在任時のことだ。米国は北朝鮮の突然の提案に悩みはするだろうが、北朝鮮に対して不信感が強いオバマ大統領が快く対話を受け入れることはないだろう。

オバマ大統領と中国の習近平国家主席は今月初め、首脳会談で、北朝鮮を核保有国と認定することはできず、北朝鮮の核兵器開発も容認しないと公言した。米国は、対話再開には北朝鮮が核放棄に向けた実質的な行動を示すことを求めた。ソウルを訪問した唐家璇前国務委員は、「習主席が先月、北朝鮮の崔竜海(チェ・リョンヘ)軍総政治局長に会った時、北朝鮮の核兵器を絶対に認めることはできず、支持することもないという点に釘を刺した」と伝えた。北朝鮮が確固たる米中の認識を国防委員会報道官談話で揺さぶることができると考えるのは妄想にすぎない。米国が、南北対話が断絶した状態で北朝鮮と対話を急ぐ理由もない。

北朝鮮が現在の危機局面から抜け出したいなら、まだ機会はある。27日の韓中首脳会談に向けて核放棄の具体的な約束と行動をすることだ。それが対話再開の糸口を見いだすことができる唯一の方法だ。米朝対話の提案はあまりにも性急だ。