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朴大統領、20年間の難題を解決せよ

Posted May. 24, 2013 06:52,   

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最近、韓半島情勢をめぐる各国の動きが活発だ。朴槿恵(パク・クンヘ)大統領と米国のオバマ大統領が今月初め首脳会談を行ったのに続き、来月初旬と下旬には、米中、韓中首脳会談が予定されている。

韓国の最大の関心事は北朝鮮の核問題だ。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)政権を支える核心的実力者である崔竜海(チェ・リョンヘ)人民軍総政治局長が22日、金正恩第1書記の特使の資格で中国を訪れたことで、核問題の突破口が開かれるのではないか「希望的観測」が流れている。国連の制裁で窮迫している北朝鮮が出口を模索するという分析だ。特に最近、中国の北朝鮮に対する態度変化が見受けられ、「韓米日協力」という言葉よりも「韓中日協力」が多くメディアに登場している。

しかし、1匹のつばめが来たからと春が訪れるわけではない。また、北朝鮮の出口戦略は核保有を固めるための戦術の変化、ないしは偽装術である可能性がある。特に、北朝鮮の核問題に対する北朝鮮と韓国、中国と米国など関連国の基本原則と立場は変わっていない。

北朝鮮は1993年3月の核拡散防止条約(NPT)脱退を宣言して以降、核兵器開発を続けている。昨年初めには改正憲法の序文に「核保有国」という4文字を入れた。今年3月末には、労働党中央委員会全員会議を開き、「経済および核武力の並進」という戦略路線を明らかにした。特に北朝鮮は、「経済と国防の並進は、金日成(キム・イルソン)主席と金正日(キム・ジョンイル)総書記が実現した独創的な路線であり、恒久的に進めていく戦略だ」と断言し、自ら退路を遮断した。このため、崔政治局長が最近関係が冷え込んでいる中国へのお土産を持って行くとしても制限的にならざるを得ない。

中国も変化したところは一つもない。22日、崔政治局長の訪中を説明した洪磊外交部報道官は、中国の学者まですでに失敗だと結論づけた6者協議を再び論じた。2003年に中国の主導で始まった6者協議は約5年間中断し、4年間にわたる対話の間も核解決に向けた進展は事実上なかった。にもかかわらず中国政府は今後も「6者協議を通じて韓半島の平和と安定を追求する」と言っている。核解決の意志を疑わせる。一方、韓国と米国は基本的に核の全面廃棄が最終目標だ。核廃棄のために、非軍事的な制裁を通じて北朝鮮が自ら核を廃棄せざるを得なくさせるという考えだ。核保有を公に主張する北朝鮮や、すでに失敗となった「6者枠組み」を主張する中国とは目標や手段で違いが大きい。中国が最近国連の制裁措置に参加しているというが、北朝鮮の核保有の意志をくじくほど強度を高めるかは疑問だ。米国も関心の焦点が北朝鮮の核の全面廃棄から次第に非拡散に移っている感じを与えている。

時間が経てば経たつほど北朝鮮の核兵器は増え、小型化、軽量化されるだろう。韓国としては一言でいって「進退両難」というわけだ。

幸い李明博(イ・ミョンバク)政権時代に韓国に批判的な態度だった中国政府が新たに発足した朴槿恵政府に対しては非常に好意的だという点だ。特に、朴槿恵大統領が明らかにした韓半島信頼プロセスの4原則は、中国政府の北朝鮮政策とも非常に似ている。北朝鮮の核を容認せず、挑発には厳しく対応するが、対話の扉は常に開き、いかなる場合でも人道的支援はするという4原則は、中国指導者の間でも肯定的な評価を受けている。

また、朴槿恵大統領は中国指導部だけでなく国民の間でも人気が高い。習近平国家主席と朴大統領は同じ「太子党」だ。若くして大きな苦難を経験したという点も同じだ。

1ヵ月後に迫った朴大統領の初の訪中で、20年間の難題である北朝鮮核問題の解決の突破口を開くことを心から願う。