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5・18精神と犠牲者を二度傷つけることがあってはならない

5・18精神と犠牲者を二度傷つけることがあってはならない

Posted May. 21, 2013 04:14,   

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5・18光州(クァンジュ)民主化運動33周年を迎え、一部のテレビ番組とインターネットのサイトが、5・18の時に北朝鮮軍が介入したと主張し、論議を呼んだ。先週、ある番組に出演した脱北住民は、「5・18は北朝鮮軍1個大隊(600人)が侵入し、光州市民を射殺して扇動した暴動だ」と主張した。別の番組でも、ある脱北住民が自分が当時光州に侵入した北朝鮮軍人だと主張し、「5・18の時、髪の長い人は皆北朝鮮戦闘員だった」と話した。一部のインターネットサイトでも、5・18犠牲者を卑下する文章やパロディが掲載されている。これに対して、5・18犠牲者遺族や記念団体、民主党、光州市は、「明白な歴史の歪曲だ」とし、「5・18歴史歪曲対策委員会」(仮称)を構成して共同で対応することを明らかにした。

5・18北朝鮮軍介入説は根拠がなく、すでに結論が出ている。5・18が起きた直後、戒厳司令部は警告文で、「騒擾は、スパイ、不純分子、チンピラによって操縦されている」と明らかにし、「北朝鮮介入説」のきっかけを提供した。しかし、当時戒厳司令官だったイ・ヒソン氏は1995年に軍事反乱容疑で捜査を受けた際、「多少誇張された点があった」と供述した。

5・18の時、光州市民軍と外信記者間の通訳を務めたイン・ヨハン・セブランス病院国際診療所長も、最近チャンネルAに出演して、「市民軍は朝、反共スローガンを叫んでデモを始めた」と証言した。内部でスパイと疑われる不審人物を捕まえて白旗を掲げ、鎮圧軍に引き渡した話も聞いたと明らかにした。市民軍が作った色あせたビラには、「金日成(キム・イルソン)は純粋な光州義挙を誤解するな」と書かれている。

北朝鮮側からも「北朝鮮軍介入説」が虚偽であることを立証する資料や証言が出てきている。北朝鮮の姜成山(カン・ソンサン)国務院首相の娘婿で1994年に韓国に亡命したカン・ミョンド氏は、『平壌(ピョンヤン)は亡命を夢見る』という著書で、「5・18が北朝鮮側が予想したよりも早く鎮圧されたため、対南工作員を投入できなかった」と明らかにした。チャネルAに出演したカン・ミョンド氏は、「北朝鮮の金日成主席は、5・18光州民主化運動を赤化統一の好機と見て介入しようとしたが、機会を逸し、後で後悔した」と語った。

光州市民軍の中に北朝鮮軍1個大隊600人の兵力が含まれていたとすれば、外部にすぐに明らかになり、戒厳軍も兵力を投入して対応したことは明らかだ。2011年にユネスコが5・18記録物を世界記憶遺産に登録したのも、国内外の検証を経て民主化運動として5・18の価値を認めたことを意味する。一部の脱北住民の一方的な主張を検証することなく放送し、事実のように広めることは無責任だ。

「北朝鮮軍介入説」という偽の主張が歴史認識の不在と狭小さを表している。5・18民主化精神への攻撃は止めなければならない。5・18犠牲者遺族など心に傷を負って生きていく関係者を二度と傷つけてはならない。民主化運動は誇らしい韓国の歴史であり、国民皆が尊重しなければならない。