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[社説]大統領の訪米成果と国の品格に泥を塗った尹昶重セクハラ

[社説]大統領の訪米成果と国の品格に泥を塗った尹昶重セクハラ

Posted May. 11, 2013 05:02,   

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朴槿恵(パク・クンヘ)大統領の訪米期間に発生した尹昶重(ユン・チャンジュン)前大統領府報道官のセクハラ事件に耳を疑った。朴大統領に随行して大統領の「口」となるべき最側近が20代のインターン女性と酒を飲み、セクハラ騒動を起こした。被害女性が米国警察に通報し、現地メディアが報道したことで明らかになり、大韓民国の体面は傷つけられた。

朴正熙(パク・チョンヒ)元大統領の娘である女性大統領の訪米に鼓舞した在米同胞の心も大きく傷ついた。被害女性は在米同胞の娘だ。大統領の側近ともあろう人物が子どもよりも幼い年齢の21才のインターンに恥ずべき行いをしたのだ。女性が警察に通報したことで、大統領の日程が終わる前に逃げるように米国を発ち、「『ガジェットパル(手が届かない高いところにある物を取る道具)』があるわけでもないのに、向いに座った女性をどうやってセクハラするのか』と図々しくも開き直った。そのように後ろめたいことがないなら、米国に残って堂々と対応すべきではなかったのか。

朴大統領は、韓米同盟60周年を迎え、米国とのきずなを堅固にし、オバマ大統領と共に「悪行に補償はない。まず変化せよ」というメッセージを送った。オバマ大統領は、「2年待つ必要はない」と述べるなど、韓米原子力協定の改正問題にも進展があった。尹氏の行動は、朴大統領の初の首脳外交の成果に泥を塗った。

尹氏は、海外出張中の公職者の責務を忘却した。米国現地時間の7日、ホテルで夜遅くまで酒を飲み、インターン女性A氏に不適切な行為をした。7日は、韓米首脳会談との記者会見、朴大統領のワシントンポスト会見と韓米同盟60周年記念晩餐会など重要な行事が続いた。報道官として一時も緊張を解いてはならない日だった。翌日午前には、同行経済関係者との朝食会、米上下院合同会議演説が予定されていた。まともな報道官なら翌日の日程を点検し、7日の首脳会談に対する韓国メディアの評価をまとめて大統領に報告する準備をする時間だった。

報道官が、状況によっては疎通のために大使館職員や記者と軽い酒の席を持つこともあるだろう。しかし、大使館のインターン女性職員だけを呼んで酒を飲むことで何の疎通をしようというのか。百回謝罪しても足りない時に、話にもならない弁解をしている。

尹氏のセクハラに対しては正確な真相調査と妥当な法的措置が必要だ。米ワシントン警察の報告書には、「容疑者が許可なく尻を触った」という被害者の陳述が記されている。大統領の訪米期間に働く20代のインターンと比べれば、大統領府報道官は「スーパー甲」と言える優越的地位にある。尹氏はこのような関係を悪用して、インターンを酒の席に連れ出し、ホテルの自分の部屋に呼んだ。尹氏はセクハラ事実を否定したが、捜査機関は被害女性の話しに一貫性があればその方向に重きを置く。

尹氏の事件は、個人の逸脱行為と処理する事案でない。朴大統領は欠格者を報道官に起用した誤りがなかったのか、反省する必要がある。尹氏は、報道機関と大統領府、大統領選挙陣営を渡り歩いた。その一方で、野党候補支持宣言をしたセヌリ党出身の人々にためらうことなく「売春婦」とののしった。尹氏は、メディアに対する献身よりもその時その時に有利なところにすり寄る人だ。彼は、大統領選挙期間にコラムや放送を通じて積極的に朴槿恵候補を支援したが、度を越えた過激な発言で良識ある国民は眉をひそめた。

尹氏の報道官起用は当時も酷評を受けた。セヌリ党内部でも反対の声が出たほどだ。発言を節制できない尹氏はついに行動も節制できず、朴槿恵政府に拭えない汚点を残させた。セクハラが全面的に誤った人事のせいとは言えないが、朴大統領が尹氏に対する反対世論を受け入れていたなら、今日のような屈辱を受けることはなかっただろう。

大統領府は、事件をありのままに究明し、尹氏に厳しい責任を問わなければならない。大統領府は尹氏を急いで帰国させた後、更迭の事実を発表した。米国最大の女性コミュニティ「Missy USA」がセクハラの事実を暴露した後に大統領府が尹氏の帰国事実を明らかにした理由は何か。尹氏が帰国した過程も釈然としない。大統領府は国の体面のためにも、米警察の捜査に積極的に協力しなければならない。今回のような不祥事の再発防止のために、大統領府は全職員の勤務規律の確立とセクハラ防止教育を強化する必要がある。