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赤信号の韓国経済、韓国銀行はより積極的に乗り出すべきだ

赤信号の韓国経済、韓国銀行はより積極的に乗り出すべきだ

Posted May. 07, 2013 03:05,   

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最近、円安傾向が目立っており、韓国経済への懸念が高まっている。

先の政権で、韓国経済がそれなりの優れた成績(?)を保つことができたのは、中国経済の高成長(輸出需要の増加)や円高(価格競争力)に支えられた輸出の役割が大きかった。問題は、現政権に入り、このような状況が逆転していることだ。中国経済の成績表は落胆するほどの数字を示し、円安に拍車がかかっているからだ。

中国経済は、習近平新政権の下、これまでの高成長から安定成長へと切り替え、自国内の過剰(不動産や地方政府の負債など)を調整し、リスク管理モードに差し掛かっているような気がする。今年第1四半期の成長率は7.7%。00年以降、10%前後の高成長を記録してきた中国経済としては、失望するほどの結果だ。日本も昨年11月、安部政権が発足し、デフレからの脱却のための大胆な金融緩和政策を示し、円安が早いテンポで進んでいる。世界市場で日本と競合する製品の多い韓国企業としては、大きな負担となっている。

実は1ドル=97円台へと再び上がった対ドル円相場は、対ドルウォン相場でうまく対応すれば、それほど恐ろしい脅威ではないかもしれない。かつてのように、目立って外国為替市場での介入を通じて、対ドルウォン相場を同様の比例で切り下げることはできないが、最近になって、非価格的競争力の強化や海外生産の拡大などで、輸出に及ぼす影響は徐々に減っているからだ。それよりもっと大事なことは、世界的な(特に中国の)経済成長の減速だ。中国経済が回復すれば、為替問題は克服できる。一般的に、所得弾力性(世界経済成長)が、価格弾力性(為替効果)より大きいからだ。しかし、中国経済がかつてのように、二桁の高成長を見せるのは難しいだろう。

このような否定的な対外環境とは違って、前期比0.9%を記録した第1四半期の韓国の経済成長率は、市場の予想を超える良好なものだ。4月、金融通貨委員会で、韓国銀行が金利を据え置いた理由の最大要因だろう。しかし、その内容を突き詰めてみれば、今後、韓国経済を楽観視するのは難しい見通しだ。投資や輸出が成長を率いてきたが、建設投資の場合、政府主導の土木事業が中心で、設備投資が伸びたのは、輸出産業に限られている。輸出もまだ、前向きな姿を見せているが、下半期に行くほど、円安の影響を受けるだろう。一方、家計消費は萎縮している。雇用が減速し、家計負債の負担が増しているからだ。

輸出低迷が予想される状況なら、設備投資も大きなことはいえない。低迷している消費を下支えし、建設投資を続けていくためには、政府の積極的な政策しかない。政府の補正予算が速やかに実施されるべき理由でもある。これには、韓国銀行の通貨政策の後押しも必要だろう。

韓国銀行では、金利引き下げは無用だと主張しているが、(少なくとも、心理的には、そして市場の予想では)低迷の泥沼に陥っている韓国経済を癒すためには、韓国銀行が経済のためのあらゆる手を尽くすという積極的に政策的意志を示し、それを市場と適切に疎通させることが求められている。

原材料価格が低めに安定しているのは、韓国経済にとって好材料となっている。物価上昇の圧迫からしばらく離れ、積極的な通貨・財政政策を通じた景気てこ入れに時間的余裕を与えるだろう。韓国銀行の金仲秀(キム・ジュンス)総裁も、韓国の成長率はまだ、潜在的成長率の達しておらず、国内総生産(GDP)のギャップはプラスへと転じていないと主張し、当面、マイナスGDPギャップで進むという認識を共有していると話した。

韓国銀行は、物価への心配無しに金利引き下げを含め、弾力的な政策運営を通じて、景気刺激を進めることができる。韓国銀行にさらにがんばってもらいたい。