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「娘を学校に通わせるのが怖い、多文化を包摂して幸せな国に」

「娘を学校に通わせるのが怖い、多文化を包摂して幸せな国に」

Posted May. 06, 2013 03:27,   

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「あなたは私のようにアイデンティティを探して迷わないで。認めることから始めて、変えようとしないで。違いを認めること、それが私たちが強くなる第一歩」

歌手のイン・スンイ氏(56)が今年初めにエッセイ『娘へ』を出版し、最後の章に書いた言葉だ。多文化家庭で育った歌手のイン氏は、先月、江原道洪川郡(カンウォンド・ホンチョングン)に多文化オルタナティーブ・スクールを設立した。イン氏は、「多文化家庭の子どもの問題は未来に夢がないということだ。彼らが夢を持てる場になってほしい」と設立の背景について語った。

芸能界で活躍する人の中で多文化家庭出身が少なくないが、彼らはまるで「カミングアウト」を待っていたかのように、長い間苦しい胸の内を隠していることが多い。「混血芸能人」に対する社会の一部の偏見のためだ。多文化家庭出身のある有名芸能人の関係者は、ファン・ミンウ君(8)問題についてコメントを依頼すると、「いくら良い言葉を言い、良いことをしても、悪意のレスはいつも付いて回る。コメントは丁重にお断りする」と話した。

フォーク歌手で番組司会も務める韓大洙(ハン・テス)氏(65)は、1950年代、米国で人種差別を経験し、韓国に戻って再びアイデンティティの混乱を経て、90年代に多文化家庭を築いた。ファン君より幼い娘(6)がいる韓氏は今回の問題に対して複雑な心境だ。「多文化家庭の子どもは特有の才能を持つことが多い。彼らを受け入れることは韓国社会を豊かにする」。58年に父親について米国に渡った韓氏にとって、ニューヨークの小学校に転校した初日は消えない記憶だ。「先生が韓国から来た生徒だと私を紹介すると、生徒たちが自分の目を指でつり上げて『チャイニーズ!』とからかった。涙が出た」。韓氏は、米国で会ったイタリア人のオクサナ氏と92年に結婚した。07年に三女、韓ヤンホさんが産まれ、多文化家庭の家長になった。子煩悩で有名な韓氏は、来年娘を学校に通わせるのが怖いと言う。「私も小学校の時に米国で辛い経験をした。韓国でそれを娘が経験するかと思うと心配だ。あの苦しみを誰よりも分かっているから」。

韓氏は、悪意のレスに苦しんだファン・ミンウ君に温かいアドバイスをした。「良くないことは今後もあり得る。心を強く持って勝ち抜かなければならない。社会が変わるには時間がかかる。悔しいことがあれば黙っていずに周囲に知らせなければならない」。

幼い頃から韓国と米国を行き来し、アイデンティティの混乱を経験した韓氏は、「水をください」、「幸福の国に」など、社会への批判的なメッセージの歌を歌う国内第1世代のシンガーソングライターになった。

「多文化家庭が増えるのは、『アメリカンドリーム』の米国のように韓国も先進国になりつつある兆候だ。20年後には多文化家庭が全家庭の20%になるそうだ。皆同じ韓国人として包摂しなければならない。その子どもは特別な才能を持つことが多い。彼らを韓国人の看板スターにしてはどうか」