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笑顔も美容整形で作る国

Posted May. 01, 2013 08:23,   

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3日に公開された映画「笑う男」の主人公であるグウィン・プリンは、17世紀、欧州で口が裂かれた状態で、自分の意志とは関係なく、いつも笑う「道化師」として生きた。「客が王」となっている13年、韓国ではスマイルうつ病に陥っている感情労働者が、スマイルを手にするため、顔に「メス」を入れている。

ソウルのホテルでバーテンとして働いているA氏(24、女)は、普段から硬い表情のため、大変悩んでいた。一所懸命にカクテルを作って、客に渡しても、「うちに悪いことでもあるのか」といわれるのが落ちだった。職場の上司さえ、「表情をうまく管理せよ」とアドバイスをするほどだった。

A氏は悩んだ末、2月に、無理に笑わなくても口元に笑いを作ってくれる「口元の整形手術」を受けた。映画「バットマン」の悪党「ジョーカー」のように、いつも口元を上がらせる手術だった。

最近、ソウル江南(カンナム)周辺の整形業界を中心に、口元の肌を切って、筋肉を吊り上げて笑わせる「口元整形」が人気を得ている。「有名芸能人が口元の整形できれいになった」という口コミが出回り、単なる美容目的で訪れる女性客より、笑う顔が求められるサービス業種の感情労働者らが、より多くなったという。

先月29日、取材チームが訪れたソウル江南区鋻潭洞(チョンダムドン)の口元整形専門のB整形外科の待合室は、相談を待っている若い女性らでにぎわっていた。病院側は、学校の休みが終わったオフシーズンにもかかわらず、この1ヶ月間で、150人あまりが、口元整形手術を受けたという。病院の関係者は、「明るい笑みを好む社会的空気のため、口元手術を希望する人たちが増えている」とし、「患者10人中7人が、20代と30代のサービス業種の女性だ」と伝えた。

取材チームが整形外科3ヶ所を訪れた結果、現職のスチュワーデスやスチュワーデス準備生、デパートの販売社員、美容室の職員、エステサロンの関係者、学習誌の訪問教師、通信販売のホストなどが、口元の整形手術を受けたことが、わかった。

「笑みを浮かべるべきだ」というストレスは、所得や年齢、性別を問わなかった。江南の有名整形外科医のC氏は、定期的に自分の口元にボトックスを打って、口元を吊り上げている。C氏は、「年をとると、口元の周りがたるみ、無理やり笑うのもつらい。笑う顔で患者に接してこそ、収益を上げることができ、周りの目を気にしながらも、ボトックスを打っている」と打ち明けた。

手術やボトックスの費用が負担となっている人たちは、笑みを浮かべる顔を作る笑み矯正機を購入したりもする。笑み矯正機メーカーのイ・ギヒョク代表は、「年々、笑みの重要性が増大し、売り上げが伸びている。特に、就職シーズンによく売れている」と話した。

感情労働者の「笑みうつ病」は深刻な水準だ。元銀行員のファン某氏(26、女)は、新入社員の研修当時、明け方まで笑いながら、挨拶の教育を受けていたとき、同僚が気を失ったのを目にし、衝撃を受けた。ファン氏は、「客から不当な要求をされても、無理やり笑わなければならない。そのたびに、心の中では、腹が立って狂いそうだった」とし、「しかし、客を装った監査職員が、わざと気に触ることをしたり、客への接待礼儀について、評価したりするときがあったので、我慢するしかなかった」と打ち明けた。

仁済(インジェ)大学・ソウル白病院のウ・ジョンミン教授(精神健康医学課)は、「無理やり笑いながら、本当の感情を抑え続ければ、後になって、自分がどんな感情を感じているのかわからない状態になってしまう」とし、「社会や会社では、感情労働者の苦しみに配慮する空気を作るべきだ」と主張した。



tigermask@donga.com