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38兆ウォンの通常賃金巡る訴訟合戦、違憲審判に拡大するか

38兆ウォンの通常賃金巡る訴訟合戦、違憲審判に拡大するか

Posted April. 30, 2013 08:18,   

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残業手当など、さまざまな手当ての算定根拠となる通常賃金に、ボーナスを含める問題を巡り、現場の組合員らの訴訟が堰を切ったかのように起こされている。

昨年、最高裁判所が政府の方針とは異なり、ボーナスを通常賃金として認めたことを受け、組合員らが過去3年間の手当ての引き上げ分まで遡及して返すことを主張し、次々と訴訟を起こしている。訴訟を起こされた企業は、労働基準法の関連条項に問題があると主張し、裁判所に違憲法律審判提請の申請まで出している。財界では、ボーナスを通常賃金に含め、この3年間の手当ての引き上げ分を遡及して支給した場合、最高38兆ウォンの追加負担が発生し得るということで、大変緊張している。

29日、法曹界によると、仁川(インチョン)とソウルとを走る広域バスを運営するサムファ高速側は、手当てを定める法的根拠の労働基準法第56条の違憲有無の審判を、憲法裁判所に提請するよう、最近、仁川地裁・民事11部(金範俊部長判事)に申請した。裁判部が申請を受け入れれば、憲法裁判所が労働基準法第56条の違憲有無を判断することになる。

会社側は、「労働基準法は、通常賃金についていかなる定義も下しておらず、超過勤務手当てを定める時だけ、通常賃金の50%以上を加算するよう、56条で規定している」とし、「通常賃金を巡り、雇用労働部と最高裁との解釈が異なっている上、下級審でも食い違う判決が相次いでおり、経営上混乱が起きている。これは、憲法の明確性の原則にも反しているだけに、違憲是非の判断を求める」と明らかにした。同社は、職員らとの訴訟で敗訴した場合、手当ての遡及分だけでも100億ウォン近く支払わなければならず、会社は倒産の危機に置かれるだろうと主張している。

通常賃金とは、労働者に定期的に支給する賃金を指す。さまざまな手当ては、この通常賃金を基準に、金額を決める。ところが、労働基準法施行令6条は、通常賃金の範囲について、「労働者に定期的・一律に支給する時給・日給・週給・月給または下請金額」とのみ定めており、解釈によってその範囲が異なる。問題は、通常賃金にボーナスが含まれるかどうかについて、法に明確な規定がおらず、政府と裁判所との判断が食い違ってきたことだ。

これまでの判例や雇用労働部の指針では、ボーナスは通常賃金には含めなかったが、昨年3月、初めて最高裁判所で、「ボーナスを通常賃金に含めることもできる」という趣旨の判決を下した。

通常賃金にボーナスが含まれれば、超過勤務手当てや休日手当てなどの法廷手当てが一緒に上がり、企業別に、総給与が5〜30%上がるだろうと、財界では試算している。

昨年、最高裁の判決後、現代(ヒョンデ)自動車とGM大宇(テウ)を始め、大手企業や中小企業の労組が、同様の訴訟を次々と起こしている。通常賃金にボーナスを盛り込むことで最終的に確定した場合、韓国企業全体としては、最高38兆ウォンを追加で支給しなければならないものと見られる。労働界は、「38兆ウォンはこれまで、財界が手にしてきた不当利益の一部に過ぎない」という姿勢を示している。



coolup@donga.com